研究概要 |
膠原病疾患モデルマウス系統において、「正常化」の原因となった2つの変異遺伝子を同定した(Komori H, et al. J Immunol 2006,Yoshida M, et al. Arthritis Rheum 2006)。変異マウスの解析から、膠原病の病態に関わる新たな分子や組織傷害のエフェクター細胞の同定に取り組み、次の成果を得た。 1.SAPを介した自己免疫王象の発現機序(古川、小野、石井) 自己免疫性肝炎の疾患モデルとされるConAレクチン誘導肝炎(ConA肝炎)をSAP欠損マウスなどに誘導し、その機序に関して次の新たな知見を得た。 (1)ConA肝炎には、SAPが抑制的に作用している。 (2)SAPの抑制は、Fasリガンドに依存しない肝細胞傷害エフェクター細胞に作用している。 2.自己免疫疾患に関わるSALMファミリー受容体の同定(古川、小野) 各種SLAMファミリー受容体遺伝子の細胞外領域のみを可溶性タンパク質として発現するDNA構築を作製した。また、作製したDNA構築を生体内で発現させる系として利用する急速静脈注入法条件の至適化を行った。可溶性タンパク質の導入は現在実施中。 3.アレルギーと血小板機能(小野) cinn遺伝子をC57BL/6J (B6)に退交配で導入したコンジェニック系統(B63^<sinn/sinn>)に、IgE依存性アナフィラキシー反応を誘導し、この生体反応系における血小板の機能を評価した。その結果、血小板はアナフィラキシー反応の遅発相に抑制的に作用することが分かった。 4.関節炎と血小板機能(小野) 血小板の関節炎促進効果を確認中。
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