研究課題
基盤研究(B)
本研究では、食作用機能を有しマクロファージと近縁と考えられるconventional樹状細胞と強力なI型IFN産生能を有するplasmacytoid pre-DCの免疫応答に及ぼす作用を検討し、以上の点が明らかになった。1)Ly49Q分子はGr-1+のミエロイド系細胞に発現されているが、さらにGr-1+ CD11c+ B220+であるplasmacytoid pre-DCにも発現されていた。しかし、その発現は末梢リンパ組織とは異なり、骨髄では不均一であり、その原因は細胞の分化成熟段階によって徐々に発現が上昇するためであることが示された。2)免疫応答の制御に大きな役割を担うCD25^+ CD4^+制御性T細胞(Treg)はLPSにより活性化された骨髄由来樹状細胞と培養することにより増殖し、より強力な抑制活性を示すことが明らかになっているそこで、異系骨髄由来樹状細胞を用いて正常マウス由来のTregをin vitoで刺激して、特異的Tregが得られるのかどうか、またそれらの活性についてin vitroならびにin vivoで検討したところ、IL-2存在下でpolyclonalなTregから選択的に特異的Tregの増殖が誘導されることが示された。また、樹状細胞との培養でTregのFoxp3の発現は維持された。3)表皮ランゲルハンス細胞と真皮樹状細胞の接触過敏応答の誘導における役割を検討するため、先にクローニングを完了しているLanterinのプロモータ下にフテリア毒素受容体(DTR)とGFPを組み込んだknock-inマウスを作成し、ジフテリア毒素(DT)を投与することにより一過性にランゲルハンス細胞を除去できるマウスを作成した。このマウスを用いてTNCB塗布による接触過敏応答におけるランゲルハンス細胞除去の影響を検討したところ、応答の惹起にはランゲルハンス細胞は不用であることが示された。
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