研究課題
基盤研究(B)
本研究では、活性酸素による酸化あるいは脱アミノ化などで生じた異常塩基を持つ核酸が細胞のゲノムDNA中、あるいは遊離ヌクレオチドプール中に蓄積した場合にどのような生体障害を引き起こすか、また細胞はどのようにそれに応答するのか、そして個体レベルの高次機能である脳機能や免疫機能などにどのように影響するのかを遺伝子改変マウスを用いて解析することを目的としてきた。これに対し、三年間の研究期間中に次に示すような成果を得た。遺伝子改変マウスを用いて、(1)核とミトコンドリアにおけるDNAやヌクレオチドプール中での酸化損傷塩基の蓄積が、蓄積部位により別々の経路を介して細胞死を誘導することを明らかにした。(2)上述の酸化損傷塩基や脱塩基部位を含むDNAに対する修復酵素や脱アミノ化プリンヌクレオチド分解酵素の欠損が、細胞レベルでは突然変異誘発やゲノム不安定化、細胞周期停止、細胞死などを引き起こし、個体レベルではパーキンソン病やハンチントン舞踏病のモデルマウスにおける脳の神経細胞機能低下、発生・発育過程におけるリンパ球を始めとする血液細胞の増殖不全ならびに発育遅延あるいは心機能異常、自然および薬剤誘導性腫瘍形成率の上昇、などを引き起こすことを明らかにした。ヒト末梢血リンパ球を用いて、(3)ゲノムに蓄積した酸化損傷の分布が特定の箇所で高くなっていることを観察し、個体レベルの遺伝情報の多様性の原動力となっている可能性を指摘した。
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