研究概要 |
1)DNAワクチン用プラスミドの構築 結核菌由来Ag85A,Ag85B,MPT51,ESAT-6,HSP65遺伝子を入手または結核菌ゲノムよりPCR法により単離した。これらの遺伝子を用いてDNAワクチン用発現プラスミドを構築した。 2)H2クラスIKO/HLA-A^*2402トランスジェニックマウスの作製 H2クラスIKO/HLA-A^*0201トランスジェニックマウスは入手済みであり、日本人に多いHLA-A^*2402を発現するH2クラスIKO/HLA-A^*2402トランスジェニックマウスは作製中である。HLA-A^*2402発現プラスミドをβ2-ミクログロブリンKOマウス胚に導入し、PCR法によりH2クラスIKO/HLA-A^*2402トランスジェニックマウスのスクリーニングをしたところ5系統のマウスで遺伝子の導入を確認した。 3)MPT51CTLエピトープの検索 MPT51については、H:LA-A^*0201トランスジェニックマウスへのMPT51DNAワクチン投与により、MPT51p51-60ペプチド特異的IFN-γ産生を認め、このペプチドがHLA-A^*0201拘束性CTLエピトープである可能性を示した。このことは、この実験系がCTLエピトープの同定に有効であることを示すものである。 4)MPT51p51-60ペプチドの解析 i)細胞傷害試験MPT51DNAワクチン免疫脾細胞をエフェクター細胞、ペプチドパルスT2細胞(HLA-A^*0201)を標的細胞としてクロミウム遊離法で細胞傷害試験を検討中である。 ii)ペプチド結合試験MPT51p51-60ペプチドが実際にHLA-A^*0201分子に結合することを、ヒト由来のTAP欠損培養細胞であるT2細胞を用い検討中である。 iii)HLA-A^*0201陽性の結核患者末梢血中のMPT51p51-60ペプチド特異的T細胞の検出 さらに国立天竜病院の協力のもとに、HLA-A^*0201陽性の結核患者末梢血を採取しペプチド特異的なIFN-γ産生があるかどうか検討中である。
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