研究分担者 |
鶴留 雅人 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50159042)
河野 光雄 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00234097)
西尾 真智子 三重大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70156040)
伊藤 守弘 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教務職員 (10281081)
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研究概要 |
パラミクソウイルスは自然宿主において持続感染することが多い。私たちはセンダイウイルスを用い、その持続感染成立の初期過程を解析し、持続感染成立の分子機構を明らかにしてきた。しかしながら、持続感染成立の初期過程の解析はセンダイウイルスの場合を除いて殆どされていない。センダイウイルスで得られた結果が普遍性を有するかどうかを確認する為にルブラウイルス持続感染細胞系を用いて,その成立過程を解析した。1)Mumpsウイルス、hPIV2(東芝株とCA株),SV5(WR株とT1株)、及びhPIV4A&4B持続感染細胞を樹立した。2)持続感染成立過程は多様性を示し、少なくとも5つに分類することができた。3)持続感染(Steady state)樹立効率を定量化する方法を確立した。4)ウイルスの持続感染樹立効率にはウイルス間で大きなばらつきがあった。5)hPIV2(CA株),SV5(T1株)及びhPIV4A&4B感染細胞は速やかにSteady stateの持続感染細胞が成立する。6)hPIV2(東芝株)およびSV%(WR株)感染細胞をそのまま継代培養すると,比較的速やかに持続感染細胞が成立するが、成立した持続感染細胞はSteady stateとCarrier stateのmixtureであった。7)センダイウイルスのM蛋白もF蛋白も持続感染成立の寄与していることを明らかにした.一方、意外なことに、HN蛋白はnegativeに作用していた。8)インターフェロンの持続感染樹立効率にたいする効果を定量的に解析したところ、インターフェロンの樹立効率増強作用が確認された。以上のように、持続感染成立過程の多様性が明らかになったので、今後その分子基盤について解析をする予定である。
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