研究課題/領域番号 |
16390138
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
井上 直樹 国立感染症研究所, ウイルス第1部, 室長 (90183186)
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研究分担者 |
原田 志津子 国立感染症研究所, ウイルス第1部, 主任研究官 (10218646)
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キーワード | ヘルペスウイルス / 感染 / 水痘帯状疱疹ウイルス / サイトメガロウイルス / ヒトヘルペスウイルス8 / 宿主遺伝子 / シュードタイプ / 水泡性口内炎ウイルス |
研究概要 |
1.水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)及びヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)を特異的に検出できる各レポーター細胞株を用いて、宿主細胞への吸着・侵入の分子機構の各ウイルスの共通性と差異を検討した。1)レトロウイルスの感染効率の増加のために用いられるポリブレンは、HHV-8の感染を増強するのに対して、VZVでは効果がなく、CMVでは逆に阻害的であった。2)吸着時の遠心による感染効率の増加はHHV-8、CMV、VZVの順に高かった。3)VZVではマルトース6燐酸による阻害が見られた。4)ヘパリン様化合物による感染阻害は、HHV-8、CMV、VZVの順に効果的であった。5)宿主キナーゼの阻害剤ロスコビチンは、20μMと低濃度で細胞毒性を伴わずにVZVの感染初期過程を強く抑制した。以上の結果より、同じヘルペスウイルス科であっても各ウイルス間で感染初期過程に様々な差があるのではないかと考察された。 2.宿主のインターフェロン誘導遺伝子ISG54Kのプロモーターをレポータープラスミドにクローニングし、一過性の遺伝子導入によりプロモーターの活性化機構を検討したところ、CMV感染直後に発現されるCMV IE2蛋白及び宿主の転写因子USF蛋白の結合配列に活性化が依存した。従って、CMV粒子もしくは粒子表面に存在するgB蛋白が細胞表面に吸着することにより、粒子の侵入なしにISG54K発現が増強されるとする報告とは異なる結果であった。そこで、G蛋白の代わりに緑色蛍光蛋白を発現する組換え体水泡性口内炎ウイルス(VSV)のエンベロープにCMVgB蛋白を取り込ませ、このシュードタイプVSVを感染させISG54K遺伝子プロモーターの活性化を検討したが、gB蛋白の吸着だけでは遺伝子活性化は生じなかった。この相違が、用いた細胞もしくはウイルス株の差によるものかを現在検討している。
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