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2004 年度 実績報告書

細菌由来糖脂質抗原に対する自然免疫抗体産生を制御するToll様受容体複合体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16390142
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

三宅 健介  東京大学, 医科学研究所, 教授 (60229812)

キーワード自然免疫 / Toll-like receptor / Lipopolysaccharide / MD-2
研究概要

RP105欠損マウスを用いた解析で以下の点が新たに明らかになった。
1.RP105KOマウスの血清抗体価を測定したところ、IgG3が著明に低下し、IgM,IgG2bも有意な低下が認められた。
2.RP105KOマウスはこれまで、B細胞におけるLPS応答が低下していることを報告してきた。今回、我々はTLR2リガンドであるリポペプチド(Pam3CSK4とMALP-2)、TLR9リガンドであるオリゴヌクレオチドに対するB細胞の応答性、抗体産生を調べてみた。その結果、RP105が欠損したB細胞はLPSばかりでなく、TLR2リガンドに対しても低応答性を示すことが明らかとなった。B細胞の増殖反応はリガンドの濃度を高くすることで、RP105欠損B細胞は応答するようになるが、ビボにおける抗体産生は著明に低下していた。一方TLR9に対する応答性は変わらなかった。
これらの結果は、RP105/MD-1が、TLR2やTLR4によって誘導される胸腺非依存性I型抗体産生に重要な分子であることを示している。TLR2、TLR4のリガンドは菌体膜の免疫細胞活性化能のほとんどを説明する。したがってRP105/MD-1は、菌体膜刺激による抗体産生を制御しているともいえる。これまで、IgG3や、胸腺非依存性I型抗体産生が低下しているノックアウトマウスは多数報告されている。しかしながら、それらのマウスは胸腺非依存性II型抗体産生(TNP-Ficollに対する抗体産生)にも障害があり、またB1細胞が低下している。そのため、IgG3ばかりでなく、IgMも低下することが多い。RP105KOマウスはその点において、これまでのマウスと大きく異なる。RP105KOマウスでは、B1細胞に障害はなく、TNP-Ficollに対する抗体産生にも影響はない。TLR2、TLR4のリガンドに対する抗体産生にのみ障害があるという興味深いマウスであることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (7件)

  • [雑誌論文] Dok-1 and Dok-2 are negative regulators of lipopolysaccharide-induced signaling.2005

    • 著者名/発表者名
      Shinohara H.
    • 雑誌名

      J Exp Med. 201

      ページ: 333-339

  • [雑誌論文] Endotoxin recognition molecules, Toll-like receptor 4-MD-2.2004

    • 著者名/発表者名
      Miyake K.
    • 雑誌名

      Semin Immunol. 16

      ページ: 11-16

  • [雑誌論文] The role of IL-5 for mature B-1 cells in homeostatic proliferation, cell survival, and Ig production.2004

    • 著者名/発表者名
      Moon BG.
    • 雑誌名

      J Immunol. 172

      ページ: 6020-6029

  • [雑誌論文] Lipid A antagonist, lipid IVa, is distinct from lipid A in interaction with Toll-like receptor 4 (TLR4)-MD-2 and ligand-induced TLR4 oligomerization.2004

    • 著者名/発表者名
      Saitoh S.
    • 雑誌名

      Int Immunol. 16

      ページ: 961-969

  • [雑誌論文] Endotoxin recognition molecules MD-2 and toll-like receptor 4 as potential targets for therapeutic intervention of endotoxin shock.2004

    • 著者名/発表者名
      Miyake K.
    • 雑誌名

      Curr Drug Targets Inflamm Allergy 3

      ページ: 291-297

  • [雑誌論文] Interaction of Soluble Form of Recombinant Extracellular TLR4 Domain with MD-2 Enables Lipopolysaccharide Binding and Attenuates TLR4-Mediated Signaling.2004

    • 著者名/発表者名
      Hyakushima N.
    • 雑誌名

      J Immunol. 173

      ページ: 6949-6954

  • [雑誌論文] Different domains of Pseudomonas aeruginosa exoenzyme S activate distinct TLRs.2004

    • 著者名/発表者名
      Epelman S.
    • 雑誌名

      J Immunol. 173

      ページ: 2031-2040

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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