研究分担者 |
福澤 純 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40333695)
鈴木 定彦 鳥取大学, 医学部, 助教授 (90206540)
吉田 逸朗 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20041816)
小笠原 正洋 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40185492)
大谷 克城 旭川医科大学, 医学部, 助手
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研究概要 |
血管内皮細胞に存在する膜型コレクチンCL-P1は常在性の膜蛋白であり、すべての血管に存在する。我々は、前年度までの文部科学省科学研究補助金(基盤研究(B)(2)課題番号13470139)による研究の過程で、上記タンパク質を世界で初めて同定した(JBC 2001)。本研究では、本CL-P1の分泌型分子の血中での測定システムを樹立して、血管損傷の定量的検査法を開発するための基盤研究をおこなうことを目的とする。初年度は、リコンビナント分泌型CL-P1の作成とCL-P1の単クローン抗体の作成を行った。分泌型CL-P1は、多量体構造をとる分子であり、作成されたたんぱく質のレクチンとしての糖結合特異性は、従来の膜結合性のCL-P1分子と、同様のパターンを示した。そのことより、膜結合型CL-P1分子からプロテアーゼ分解で産生される天然分泌型CL-P1分子と新規作成されたリコンビナント分泌型CL-P1は、同様の構造を持つことが示唆された。本分子を、天然分泌型CL-P1の測定系の標準サンプルとして用いることに決定した。 一方、並行してCL-P1の単クローンの作成を試み、8つの細胞株を樹立した。得られた単クローン抗体株は、腹水化を行い、精製抗体を作成した。精製抗体の反応性を、リコンビナントCL-P1,CL-L1,CL-K1,bovine conglutinin, SP-D, SP-A, MBLを用いて検討した。その結果、リコンビナントCL-P1のみに抗体は反応し、特異性が確認された。抗体のパネル化とグループ分けについては、分泌型CL-P1、CL-P1CRD, zebrafishCL-P1CRDを用いて、検討した。その結果、3つのグループに分類できた。分泌型CL-P1を標準サンプルとして、これらの単クローンを用いて、測定システムの樹立を試行錯誤しながら行っている。単クローンでのサンドイッチELISAが、うまく作成できない際には、同時並行して作成している、ウサギポリクローナル抗体と単クローン抗体を組み合わせた、サンドイッチELISAの開発へと方向転換する予定である。現在のところ、研究計画は、着実に進行している。
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