研究課題
血管内皮細胞に主に存在する膜型コレクチンCL-P1は常在性蛋白である。我々は、平成14年度〜16年度の文部科学省科学研究補助金(基盤研究(B)(2)13470139)による研究の過程で、本遺伝子を世界で初めて同定した(JBC 2001)。本研究では、CL-P1の分泌型分子の測定システム樹立による、血管損傷の定量的検査法を開発するための基盤研究を行うことを目的とした。平成16年度は、分泌型CL-P1作成とCL-P1単クローン抗体の作成を行った。抗原としては、大腸菌の発現ベクターを用いて、糖認識領域(CRD)とネック領域部分を発現させて、それらを動物にマウスに過免疫をして、細胞融合を行い、ハイブリドーマを得た。平成17年度は、前年度で得られたCL-P1の単クローン抗体を用いて、その反応性について比較検討を行った。得られた8種類のCL-P1の単クローン細胞から、腹水化を行い、精製抗体を作成した。抗原をプレートに固層化しての反応性を、ELISA法で測定した結果、すべての抗体は、免疫抗原であるCL-P1CRDと高い反応性を示した。さらに変性条件下での反応を、SDS-PAGE,ウエスタンブロット法にて解析した。その結果、抗体はいくつかのグループに分類できることが明らかになり、それらを組み合わせたプロトタイプ測定系の作成を行った。平成18年度は、動物やヒト組織での免疫組織染色では血管内皮部分に一致する染色像を認めた。しかしながら、その発現は均一ではなかった。さらに、血中には、上記抗体で染色される分子量の低い分子が存在することを見出した。しかしながら、上記のサンドイッチELISAを用いても、本分子を定量できず、血中分子の定量測定化については、今後の課題となった。さらに、微量測定系については、再度単クローンとポリクローナル抗体を用いて、高感度測定システムの樹立を試行錯誤しながら進めている。
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