研究概要 |
RB1CC1機能消失と癌との関連について、これまでに50例以上の各種の癌細胞株において遺伝子変異を検索したが、新たな変異は見つからなかった。また、発現消失のメカニズムのひとつとしてRB1CC1のコアpromoter部のメチル化の程度をbisulfite PCR法にて検索したが、癌における過剰メチル化等、RB1CC1遺伝子silencingを示唆するものは見つからなかった。これらより、多くの癌ではRB1CC1自身よりも、これに続きRB1に至る経路上の分子を中心に機能消失が起こっており、現在この経路の詳細を明らかにしようとしている。 RB1CC1機能と神経、筋等の各種変性疾患との関連については、これまでに神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、等)の病理解剖検体よりの標本を中心にin situ hybridization法,免疫組織化学法を行い、解析を進めてきた。これにより神経変性とともにRB1CC1の発現低下、機能消失の起こっていることがわかってきた。また、PC12神経細胞培養系においては、RB1CC1 siRNAによりNGF添加時の突起形成が抑制されることも示唆された。現在この確認を行うのとともに、RB1CC1機能低下から神経突起形成不全を起こす細胞生物学的経路を明らかにしようとしている。
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