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2007 年度 実績報告書

職業性ストレスとがん罹患の関連性およびそのメカニズムに関する疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16390170
研究機関東京大学

研究代表者

川上 憲人  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90177650)

研究分担者 堤 明純  産業医科大学, 産業医実務研修センター, 教授 (10289366)
島津 明人  東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80318724)
キーワードがん / 罹患 / 危険因子 / ストレス / 免疫 / 生活習慣
研究概要

本研究は,職業性ストレスとがん罹患との関連性とそのメカニズムを明らかにすることを目的として,2つの前向きコホート研究(既存コホートデータと新規コホート)および職業性ストレスとがん罹患の媒介要因(免疫機能,抗酸化能などの生理指標および食事等のがん関連保健行動)との関係についての小規模な追跡研究を実施している。平成19年度は以下の研究を実施した。
1.がん関連の生物学的指標との関連(川上):従業員男女431名に対して,職業性ストレス調査票に記入を求めると同時に採血,採尿を実施し,ストレス感受性遺伝子である5-HTTPRL遺伝子多型およびがん,虚血性心疾患の指標である抗酸化能マーカー(8-0HdG)を測定した。結果として,男性では組織の公正性のうち,対人的公正が低い場合に,女性では仕事の要求度。コントロールモデルによる仕事のストレインが高い場合に,尿中8-0HdG濃度が高いことが示された。5-HTTPRL遺伝子多型は,8-0HdG濃度と関連を示さなかった。
2.労働者コホートの追跡データを解析し,仕事の要求度,コントロールモデルによる仕事のストレインが高い場合に,全がんの罹患率が高いことが示された。この関係は,他の生活習慣など交絡要因を調整した後も,職種(事務系,現場系)別の分析でも,がんの部位(胃がん,それ以外)の分析でも確認された。
本年度までの研究から,職業性ストレスは全がんの罹患リスクを増加させる可能性があることが示唆された。そのメカニズムの一部として,職業性ストレスによるDNA酸化があると考えられた。一方,食事や生活習慣は,職業性ストレスとがん罹患をつなぐ媒介変数としては大きな役割を果たしていないと推測された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 産業ストレスの第一次予防対策:科学的根拠の現状とその応用2008

    • 著者名/発表者名
      川上 憲人, 島津 明人, 土屋 政雄, 堤 明純
    • 雑誌名

      産業医学レビュー 20

      ページ: 175-195

  • [雑誌論文] 国内外の産業医学に関する文献紹介-企業における組織的公正とその健康影響2008

    • 著者名/発表者名
      井上 彰臣, 土屋 政雄, 川上 憲人
    • 雑誌名

      産業医学ジャーナル 31(2)

      ページ: 132-135

  • [雑誌論文] The immediate effects of 10-minute relaxation training on salivary immunoglovulin A(s-IgA) andmood state for japanese female medical co-workers2007

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi T, Hirokawa K, Tsuchiya M, Kawakami N
    • 雑誌名

      Acta Med Okayama 61(3)

      ページ: 139-145

    • 査読あり
  • [学会発表] Supervisor Training and Mental Health among Workers:A Critical Review2008

    • 著者名/発表者名
      Kawakami N, Tsutsumi A, Shimazu A
    • 学会等名
      The 7th International Conference on Occupational Stress&Health
    • 発表場所
      ワシントンDC(米国)
    • 年月日
      2008-03-06
  • [備考]

    • URL

      http://www.jstress.net

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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