研究課題/領域番号 |
16390171
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
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研究分担者 |
中尾 睦宏 帝京大学, 国際教育研究所, 助教授 (80282614)
錦谷 まりこ 帝京大学, 医学部, 助手 (40327333)
野村 恭子 帝京大学, 医学部, 講師 (40365987)
大脇 和浩 帝京大学, 医学部, 講師 (60297124)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 過重労働 / 派遣労働 / パートタイマー / 雇用の多様化 / 健康影響 / メンタルヘルス / 自律神経機能 / ストレス |
研究概要 |
近年いわゆる過労死と呼ばれる長時間残業などの過重労働に関連した心脳血管障害による死亡や、うつ状態からの自殺による労働災害の申請が増え、大きな社会問題になっている。また今日、労働者の雇用・就業形態は終身雇用職員、任期職員、派遣、嘱託等と多様化しており、それが労働者の基本的な権利や生活に大きな影響を及ぼしていわゆる格差問題として、激しい議論が巻き起こっている。そこでこのような今日の職場の状況が、健康面からは労働者にどのような影響を及ぼしているのかを実証的に明らかにするため本研究が計画された。研究の方法としては労働者の自他覚症状・健康意識、生理機能検査および健診データやメンタルヘルスに関連した各種調査手法の選択検討を行う一方、それらが過重労働や多様な雇用就業状態によりどう変化しているかを解析した。その結果、現在こうした状況に対する現場での対応の中心は健康診断であるが、現行の健康診断の検査項目では過重労働とその影響を高い感度で見いだすことは困難であり、新しい検査指標の選択開発の必要性が明らかになった。また、過重労働の指標として単純な労働時間だけではその実態を把握しきれず、健康診断を中心とした現在の職域健康管理のあり方は再検討が必要と考えられた。特に今日、労働者個人や職場環境の心理・社会的な状況を把握することが重要と思われる。雇用・就業形態多様化の影響については、現在の健康管理の体系は終身雇用の正規職員対応を中心に構成されており、健康管理担当者も眼前の職場内での多様化の実情すら十分把握していない。このように問題の深刻さや緊急性にかかわらず、この問題についての対策以前に研究や調査も従来ほとんどなされていない。今後、研究者や現場の担当者の関心を高め、まず雇用身分を問わず全ての労働者の状況を把握することからはじめていかなければならないと思われる。
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