研究課題/領域番号 |
16390172
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
清水 英佑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056879)
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研究分担者 |
鈴木 勇司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (30163017)
縣 俊彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (50147576)
宮越 雄一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00343533)
中村 義之 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90155870)
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 大学院・医学研究科・医学部, 助教授 (50106407)
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キーワード | 強磁場作業者 / 電磁場 / 健康影響 / 生活時間 / 血液検査 / 静磁場環境測定 / 疫学調査 / 8-OHdG |
研究概要 |
1.強磁場作業者の健康問題に関する包括的研究 磁場の健康影響を明確にする事を目的とし本研究を実施した。対象者は38名で、年齢は平均30.5歳、標準偏差10.0歳である。また、対象者の性別は、男が36例、94.7%と圧倒的に多い。対象者の自覚症状(肩こり、のどの渇き、吐き気など)は発生頻度が低く、磁場との関連も見られなかった。 作業開始前の血液、尿の測定値で、基準値を外れるものはなく、作業終了後の測定値で、外れるものは、1dh2(%)のみであった。磁場作業前後の差(作業開始前値-作業終了後値)で、有意差の見られた項目は開始前が高いものとして、尿-コルチゾール、メラトニン、尿素窒素などがあり、開始前が低いものとして、白血球、ナトリウムがあった。 二元配置分散分析でも磁場、加齢の影響を明確に見いだすことはできなかった。 2.静磁場環境測定 静磁場曝露環境として、研究所などのnuclear magnetic resonance(NMR)設置場所の磁場強度分布を計測した。測定方法は、NMR設置室を等問隔で区切り、床から70cmの高さで磁場強度を求め、NMR設置室の静磁場強度の等高線図を作成した。磁場強度は、マグネット下部で最も強く、NMR制御部位においても0.1-1mTを示した。 3.8-hydroxydeoxyguanine(8-OHdG)測定 電磁場曝露により脳腫瘍などの発生率増加が報告されており、活性酸素の関与が示唆されている。活性酸素による酸化的DNA損傷の指標である8-hydroxydeoxyguanine(8-OHdG)を用いて、強磁場作業者作業者38名を対象者に尿中8-OHdGを測定した。平均値は曝露前5.51±1.79ng/mg・Cr、曝露終了時5.07±2.07ng/mg・Crであり、有意差は認めらなかった。今回の検討では、活性酸素による影響は認められなかった。
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