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2004 年度 実績報告書

環境中物質による自己寛容破綻の検討:珪肺症における自己免疫異常をモデルとして

研究課題

研究課題/領域番号 16390175
研究種目

基盤研究(B)

研究機関川崎医科大学

研究代表者

大槻 剛巳  川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160551)

研究分担者 兵藤 文則  川崎医科大学, 医学部, 講師 (80069070)
高田 晶子  川崎医科大学, 医学部, 助手 (30278957)
三浦 由恵  川崎医科大学, 医学部, 助手 (00388935)
キーワードアスベスト / 珪酸 / T細胞 / 活性酸素種 / アポトーシス / 遺伝子発現 / ミトコンドリア経路 / MAPキナーゼ
研究概要

本研究では,アスベストの免疫系への影響を検討することにより,珪酸曝露により生ずる自己免疫疾患(珪肺症に合併)ならびにアスベスト由来の悪性腫瘍発生(肺癌や悪性中皮腫)における免疫学的側面を明らかにするとともに,自己寛容の破綻や腫瘍免疫の減弱等の現象を実験系ならびに将来的には症例においても明らかにすることを目的として遂行中である。平成16年度においては,実験系としてHTLV-1不死化ヒトポリクローナルT細胞株を用いて,(1)短期高濃度曝露によるアポトーシスの出現と活性酸素種の関与,抗酸化剤の効果の検討,(2)低濃度長期曝露モデルの構築と網羅的遺伝子発現の差異の観察,(3)同様の低濃度慢性曝露モデルにおけるアポトーシス関連遺伝子の発現の解析とサイトカイン産生の差異の検討などを行ってきている。結果としては,(1)においては,ミトコンドリア系のアポトーシス経路の関与,p38,JNKなどのMAPキナーゼ系アポトーシス誘導シグナルの活性化,抗酸化剤によるアポトーシスの減弱などを見出してきている。(2)については,短期(3〜4日)曝露でアポトーシスを起こす濃度のクリソタイルは50μg/mlであったが,5〜10μg/mlで,8ヶ月〜1年の曝露を行うと,その後,50μg/mlの曝露を行っても,アポトーシスを殆ど生じないように細胞の性質が変化したことが窺われてきている。この株を抵抗性株と名付けて,現在は,親株との性質の差異を,遺伝子発現(網羅的解析ならびにアポトーシス関連遺伝子),サイトカイン産生等の項目で検討中である。次年度は,これらの検討をより詳細に行い,T細胞のアスベスト誘導アポトーシス抵抗性に関わる因子を抽出し,その機能の解析も踏まえて行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 珪肺症症例に検出されるFasとその関連分子の異常2005

    • 著者名/発表者名
      高田晶子, 三浦由恵, 兵藤文則, 勝山博信, 植木絢子, 大槻剛巳
    • 雑誌名

      日本衛生学雑誌 60(1)

      ページ: 30-37

  • [雑誌論文] Secretory Ig A in saliva and academic stress.2004

    • 著者名/発表者名
      Otsuki T, Sakaguchi H, Hatayama T, Takata A, Hyodoh F, Tsujita S, Ueki A, Morimoto K.
    • 雑誌名

      Int J Immunopathol Pharmacol 17(2S)

      ページ: 45-48

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 珪肺症症例で認められた抗Fas自己抗体の機能解析2004

    • 著者名/発表者名
      高田-友国晶子, 植木絢子, 三浦由恵, 草加勝康, 勝山博信, 大槻剛巳
    • 雑誌名

      臨床環境医学 13(2)(印刷中)

  • [雑誌論文] Effects of genetic and nutritional factors on bone mineral density in young adults.2004

    • 著者名/発表者名
      Otsuki T, Sakaguchi H, Hatta E, Hatayama T, Hatada S, Miura Y, Takata-Tomokuni A, Hyodoh F, Tomomitsu T, Fukunaga M, Katsuyama H.
    • 雑誌名

      Int J Mol Med 14(4)

      ページ: 669-676

  • [雑誌論文] Expression of PGP9.5 (Protein Gene Product 9.5)/UCHL-1 (Ubiquitin-C-terminal hydrolase 1) in human myeloma cells.2004

    • 著者名/発表者名
      Otsuki T, Yata K, Takata-Tomokuni A, Hyodoh F, Miura Y, Sakaguchi H, Hatayama T, Hatada S, Tsujioka T, Sato Y, Murakami H, Sadahira Y, Sugihara T.
    • 雑誌名

      Br J Haematol 127

      ページ: 292-298

  • [雑誌論文] Induction of CD69 antigen expression in peripheral blood mononuclear cells on exposure to silica, but not by asbestos/chrysotile-A.

    • 著者名/発表者名
      Wu P, Hyodoh F, Hatayama T, Sakaguchi H, Hatada S, Miura Y, Takata-Tomokuni A, Katsuyama H, Otsuki T
    • 雑誌名

      Immunol Lett (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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