研究課題/領域番号 |
16390179
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
大嶋 巌 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (20194136)
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研究分担者 |
萱間 真美 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60233988)
伊藤 順一郎 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 部長(研究職) (80168351)
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キーワード | 精神科リハビリテーション / 心理社会的介入プログラム / 包括型ケアマネジメント / 家族心理教育 / 援助付き雇用 / 科学的根拠に基づく実践 / フィデリティ評価 / プログラム評価 |
研究概要 |
心理社会的介入プログラムのプロセス評価法開発と効果的援助要素に関する研究を、国立精神・神経センターで実施している包括型ケアマネジメントプログラム(ACT)に、家族心理教育と個別保護的雇用プログラムを組み合わせた統合プログラムにおいて行った。研究3年度に当たる今年度は、前年度作成した統合プログラムの実施方法をまとめた統合プログラムガイドラインを用いて、ガイドラインに記述されている援助サービスの内容に基づく、プログラムレベルと利用者個人レベルのプロセス評価尺度、フィデリティ評価尺度の評価を継続した。また中間的な分析であるが、1年後アウトカム評価が実施できた事例について、プロセス評価とアウトカム評価の関係を明らかにした。プログラムレベルのフィデリティ評価尺度として、ACTのための評価尺度DACTSと、援助付き雇用フィデリティ尺度、家族心理教育フィデリティ尺度の日本語版を3ヶ月おきに評価した。また、利用者個人レベルの尺度としてケースマネジャーが評価するフィデリティ尺度(個別利用者フィデリティ尺度;ICFS)を退院後1ヶ月、半年、12ヶ月時点で評価し、利用者本人が回答するフィデリティ尺度(利用者評価フィデリティ尺度;CPFS)は退院後12ヶ月経過した事例に評価した。さらに、電子カルテで日々の援助内容を記録するサービスコードを開発し、その指標化を行なった。その上で、サービスコード指標と各種フィデリティ評価尺度の関連を検討した。個別利用者フィデリティ尺度ICSFでは、6ヶ月後評価が完了している73例について1年後アウトカムとの関係を明らかにした。その結果、エンパワーメントや自己統制感の改善、サービス満足度の向上などとの関連が明らかにされた。一方、状態が悪化して多くのサービスが提供されるという注目する因果関係とは逆の関係も見出され、評価方法論上の検討課題と考えられた。
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