研究課題
基盤研究(B)
本研究では熱中症における脳神経障害に着目し、熱中症の脳内病態について脳内のタンパクと遺伝子の発現を形態学と分子生物学の両方の観点から捉え、熱中症患者の救命に寄与することを目的とする。本年度に行なった研究は以下のとおりである。1.マウス50匹(6〜7週齢・30〜35g前後)をペントバルビタールの腹腔内投与で全身麻酔し、42℃と37℃のインキュベータ中に置いて熱中症マウスとした。2.熱中症マウス、エタノールを予め腹腔内投与した熱中症マウス、高張食塩水を腹腔内投与したマウス及びコントロールマウスについて、直腸温度、血液ガス分圧、血液電解質、血糖を経時的に測定した。3.脳をホルマリン固定し、凍結切片、ビブラトーム切片及びパラフィン切片を作成した。多種類の一次抗体(リン酸化・非リン酸化Tau、GFAP、nitroguanosine、heat shock protein、NeuN、c-fosなど)を用いたホールマウント免疫組織化学、通常の免疫組織化学、TUNEL法によるアポトーシスの検出を行って脳内細胞の変化の有無を調べた。4.熱中症がエタノール投与によって増悪する機序を明らかにした。また、熱中症によって比較的特異的に生じる脳内の特定部位におけるタンパクの発現を見出した。5.現在、熱中症マウスからmRNAを抽出し、各種遺伝子のRT-PCR法、Differential Display法やマイクロアレイ法などの手法を用い、熱中症に特異的に発現する脳内遺伝子を同定する研究を行っている。
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Research and Practice in Forensic Medicine 47
ページ: 189-192
Medicine, Science and the Law 44・3
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Legal Medicine (印刷中)
Forensic Science International (印刷中)