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2005 年度 実績報告書

腸内細菌定着に伴う情動行動の変化とその脳内機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16390200
研究機関九州大学

研究代表者

久保 千春  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80117100)

研究分担者 須藤 信行  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60304812)
古賀 泰裕  東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
キーワードストレス / 腸内細菌 / 無菌マウス / 神経内分泌 / 脳腸相関
研究概要

腸内細菌の宿主への定着という現象は、成長後の様々な生理機能に関与している。本研究では、腸内細菌定着が、成長後の情動行動に如何なる影響を及ぼすかについて包括的に検討している。本年度は、腸内細菌定着がストレスに対する視床下部-下垂体-副腎軸(HPA axis)の反応性へどのように関与しているか、について無菌(germ free : GF)マウスおよび様々な単一細菌で構成された人工菌叢マウスを用いて検討した。平成17年度の研究成果を以下にまとめる。
1.GF,SPFマウスにおいてグルココルチコイド抑制試験を行った。すなわち両群マウスにあらかじめ各濃度のコルチコステロンを投与し、HPA axisのストレス反応がどのように変化するか、について比較、検討した。その結果、GFマウス、SPFマウスのID50(50%抑制するのに必要なコルチコステロン量)は、それぞれ、3.65mg/kg、0.98mg/kgであった。この結果は、GFマウスにおけるHPA axis高反応性をさらに裏付けるものであり、GFマウスにおけるフィードバック機構の機能不全を示唆するものである。
2.母マウスの児に対する行動、いわゆるmaternal behaviorは、成長後のHPA axisの制御に影響をあたえることが知られている。そこで、出産後の母マウスのmaternal behavior(licking & grooming, arched-backed position)についてGF,SPFマウスで比較、検討した。その結果、観察したいずれの行動においてもGF,SPFマウス間で違いは認めなかった。以上の結果は、GFマウスにおけるHPA axisの高反応性は、maternal behaviorを介した経路とは異なるメカニズムにより生じている可能性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Stress and gut microbiota2006

    • 著者名/発表者名
      Sudo N.
    • 雑誌名

      Proceedings of 18^<th> World Congress on Psychosomatic Medicine (In press)

  • [雑誌論文] Does stress exacerbate liver diseases?2006

    • 著者名/発表者名
      Chida Y, Sudo N, Kubo C.
    • 雑誌名

      Journal of Hepatology & Gastroenterology (In press)

  • [雑誌論文] Social disruption stress exacerbates α-galactosylceramide-induced hepatitis in mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Sonoda J, Chida Y, Sudo N, Kubo C
    • 雑誌名

      Neuroimmunomodulation 12(6)(In press)

  • [雑誌論文] The hepatic sympathetic nerve plays a critical role in preventing Fas induced liver injury in mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Chida Y, Sudo N, Takaki A, Kubo C
    • 雑誌名

      Gut 54(7)

      ページ: 994-1002

  • [図書] プロバイオティクスとバイオジェニックス:ストレス改善2005

    • 著者名/発表者名
      須藤信行, (伊藤喜久治編)
    • 総ページ数
      442
    • 出版者
      式会社エヌ・ティー・エス

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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