研究概要 |
今年度はC型肝炎のサロゲート病態動物モデルとしてGBV-B/サル実験感染系の検討した。 1.GBV-B発現ベクターからin vitro transcriptionにより得られたウイルスRNAをタマリン肝臓に接種したところ、接種後2〜8週にわたりplasmaウイルスRNA値およびtransaminase値の上昇を主徴とする急性C型肝炎様症状を発症した。またplasmaウイルスRNA値およびtransaminase値の低下と相反してanti-Core抗体価の上昇が認められた。 2.上記のタマリン1頭由来の血清(2×10^4 viral RNA copies/animals)を別のタマリン2頭の肝臓に接種したところ、viremiaを伴う急性C型肝炎様症状を呈した。そこで、より高いウイルスRNA値を示した個体について安楽殺を行い、plasmaを保存すると共に病理学的解析を行ったところ、肝臓において肝細胞変性、類洞拡張およびCore抗原陽性細胞が認められた。また一部の細胞ではTUNNEL陽性のアポトーシス像も観察された。以上より、GBV-B/タマリン感染により急性C型肝炎様症状を発症させることが確認された。 3.さらに、マーモセットはタマリンと同様にGBV-Bに感受性であることが報告されている(Bright et al.:J Virol 78,2062,2004)。マーモセットは実験用霊長類として汎用されておりタマリンと比較して入手し易いことから、モデル動物として望ましいと考えられる。そこでBrightらのデータを追試する目的で実験2と同様にGBV-B感染タマリンplasmaを用いてマーモセット1頭に実験感染を開始したところである。
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