研究課題/領域番号 |
16390208
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
乾 明夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
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研究分担者 |
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
大日向 耕作 京都大学, 大学院・農学研究科, 講師 (00361147)
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キーワード | アシルグレリン / デスアシルグレリン / 食欲・体重調節 / トランスジェニックマウス / 胃十二指腸運動 / オベスタチン |
研究概要 |
今年度の研究実施計画に掲げた事項のうち、グレリン過剰発現トランスジェニックマウスの作製と解析は一段落した。多くのマウスラインを得たが、デスアシル型を過剰発現しているラインが多く、その解析はデスアシル型グレリンの作用をみる結果となった。マウスは食欲低下、胃排泄能低下、低体重を示し、これらはデスアシル型グレリン急性投与による食欲低下、胃排泄能低下、胃の空腹運動の抑制、CRF2受容体の関与などと一致する成績であった。デスアシル型グレリンはアシル型と異なり、迷走神経求心線維を介する経路ではなく、視床下部に直接作用する機序であることを明らかにした。例えばcfosの発現はアシル型、デスアシル型で異なり、弧束核にcfosを発現させるのはアシルグレリンのみであり、弓状核、室傍核は両型によりその発現が認められた。しかし極く最近、Science誌上にグレリン遺伝子産物としてのオベスタチンが同定され、アシルグレリンと異なり、食欲、体重や消化管運動に抑制性の影響を及ぼすことが報告された。したがって、トランスジェニックマウスにおいても、オベスタチンの関与を検討する必要が生じている。オベスタチンが食欲・体重に抑制性の作用を有するのであれば、同じく抑制性のデスアシルグレリンや促進性のアシルグレリンとの関係を見る必要が生じ、その解析を検討中である。デスアシル型グレリンの測定はほぼ満足すべきアッセイ系が得られているが、アシル型の測定はまだ成功していない。またグレリン分子の機能改変を試みているが、GHSを超えるペプチドは得られていない。GHRP2の悪液質患者での臨床応用はイタリアで開始され、うつ病の食欲不振に有効である成績を得ている。吸入という投与手段は有効であるので、GHRP2が長期にわたり安定した効果をうつや癌に伴う悪液質病態に効果があるのか検討を開始しつつある。
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