研究課題/領域番号 |
16390209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
汐田 剛史 国立大学法人鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70263457)
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研究分担者 |
佐藤 健三 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (40113196)
重政 好弘 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
森本 稔 国立大学法人鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助教授 (10273880)
但馬 史人 国立大学法人鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60335528)
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キーワード | 幹細胞 / TERT / 骨髄間葉系細胞 / 臍帯血幹細胞 / 脱メチル化剤 / HDAC抑制剤 / アルブミン |
研究概要 |
われわれはヒトの肝再生医療実現に向け、ヒト幹細胞の増殖・分化システムの開発を目指して研究を進めている。将来的に末梢血への応用を考慮し、まず幹細胞の肝細胞への分化誘導システムを確立するために、ヒト間葉系幹細胞を用いて検討を行っている。最近、とりわけ肝細胞への分化能が高いことが報告されている、ヒト骨髄間葉系細胞およびヒト臍帯血間葉系幹細胞を使用し、肝細胞への分化システムを検討した。まず、ヒト骨髄間葉系細胞およびヒト臍帯血間葉系幹細胞へレトロウイルスTERT遺伝子を導入した細胞を樹立した。これらの細胞を、1)脱メチル化剤である5-アザシチジンとHDAC抑制剤トリコスタチンAを使用して、肝細胞特異的遺伝子発現を検討した。5-アザシチジンは1μMおよび5μMで処理した。トリコスタチンAはで24時間あるいは48時間処理後、3週間培養し、1週間置きに肝細胞特異的遺伝子発現を検討した。5-アザシチジンとトリコスタチンAの併用も検討した。2)HGF, FGF-2、FGF-4、OSMを組み合わせて培養し、肝細胞特異的遺伝子発現を検討した。検討した遺伝子は、アルブミン、TAT、TO、CK18、CK8、HNF3ベータ、HNF4を検討した。 その結果、5-アザシチジン1μMで処理した細胞で、肝細胞への分化を強く認めた。トリコスタチンAでは、肝細胞への誘導作用は認めなかった。サイトカインの組み合わせでは、HGF/FGF-2およびHGF/FGF-2/OSMの組み合わせが最もアルブミン発現の誘導能に優れていた。以上より、5-アザシチジンとHGF/FGF-2あるいはHGF/FGF-2/OSMの組み合わせが最も優れていると推定されるため、現在この組み合わせで検討を進めている。
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