研究課題
摂食は、中枢と末梢で産生される摂食亢進物質と抑制物質の複雑な相互関係により、巧妙に調節されている。視床下部は、血液や迷走神経を介する末梢からの空腹と摂食の情報を感知し、脳内の他の神経核からの情報と統合して、最終的に摂食とエネルギー代謝を決定している中枢である。摂食やエネルギー代謝調節機構の解明は、肥満やカヘキシアの成因に直結し、臨床医学的にもインパクトの大きなテーマである。申請者は、動物実験でのグレリンの摂食亢進、GH分泌促進およびエネルギー消費抑制作用を世界に先駆けて明らかにし(Nature 2001)、健常人へのグレリン投与でもこれらの作用を確認した。生理活性ペプチドは受容体に結合後、細胞内カルシウム、サイクリックAMPやサイクリックGMPの濃度、アラキドン酸代謝物、細胞内pHなどを変化させ、情報を伝えている。上記細胞に候補ペプチドを投与した時におこる膜電気変化や細胞内情報系の変化を蛍光染色とCCDカメラを用いて、経時的に解析できる細胞蛍光画像解析法により、生理活性ペプチドのIn vitroスクリーニングを行う。in vivo解析系として、全身の細胞にエクオリン蛋白を発現した遺伝子操作マウスを作出している。細胞内のCa^<2+>濃度が増加するとエクオリン蛋白が発光する。このモデル動物を用いて、候補ペプチドを投与後、反応標的細胞を同定する。これらの方法論によりボトルネックとなっていた活性判定が確実に実施でき、標的細胞を生体全体から特定できるため、これを起点として活性検索や機能解析へ進めることが格段に容易となったNERPの定量系の開発やヒトの臨床試料の測定なども進め、本ペプチドの基礎的・臨床的意義の解析について幅広い研究を展開している。724文字
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