研究課題/領域番号 |
16390220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
池田 宇一 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30221063)
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研究分担者 |
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
高橋 将文 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40296108)
伊勢 裕彦 信州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10324253)
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キーワード | 再生医療 / 血管新生 / 骨髄細胞 / 内皮前駆細胞 |
研究概要 |
我々は5年前より重症虚血肢患者を対象に「自己骨髄細胞移植による血管再生療法」を開始し、良好な治療成果を上げている。この治療法を虚血性心疾患患者に適応拡大を図ることを目的に、平成16年度は(1)心臓への骨髄細胞移植は、虚血性心疾患の再生治療として有効かっ安全か、(2)骨髄から末梢血への内皮前駆細胞の動員は、有効な治療効果をきたすか、についてモデル動物およびヒト臨床試験により検討し、以下の研究成果が得られた。 (1)心臓への骨髄細胞移植療法 カニクイザルの腸骨から骨髄液を採取後、内皮前駆細胞(CD34^+細胞)を分離した。冠動脈前下行枝を結紮し、心筋梗塞を作製し、梗塞周囲の虚血領域に内皮前駆細胞を注入した。骨髄細胞を移植した虚血領域の血流は有意に改善し、梗塞後の心機能低下も有意に抑制された。また、移植された骨髄細胞由来の血管内皮細胞の存在が確認された。合併症の出現は認めなかった(Stem Cells,2005)。この研究成果をもとに、現在、信州大学附属病院ではヒトを対象とした臨床試験を開始している。 (2)内皮前駆細胞の動態解析 虚血性心疾患患者を対象に、末梢血中の内皮前駆細胞の動態と虚血性心疾患との関連について検討した。健常者に比べ虚血性心疾患患者では、末梢血中の内皮前駆細胞数は有意に減少しており、その減少には糖尿病の合併が関与していた(Heart,2004)。
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