研究課題/領域番号 |
16390225
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀 正二 大阪大学, 医学系研究科・酔う需 (20124779)
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研究分担者 |
北風 政史 国立循環器病センター, 臨床開発部, 部長 (20294069)
豊福 利彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60322179)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20127252)
南野 哲男 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30379234)
高島 成二 大阪大学, 保健センター, 助手 (90379272)
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キーワード | 心筋梗塞 / 心不全 / Nitric Oxide / アデノシン / プレコンディショニング |
研究概要 |
先進各国において急性心筋梗塞時の不整脈及びそれに続く心不全は心臓病死の大きな原因である。急性心筋梗塞の心筋障害メカニズムを解明し、梗塞等による心不全伸展の予防法確立を本研究の目的とした。短時間先行虚血に伴う虚血再還流障害からの細胞死抑制効果であるプレコンディショニング現象,虚血心筋における冠血管拡張の役割に注目しその分子メカニズムを解析した。 本年も昨年に引き続き、成犬を用いた虚血実験により、NOおよびアデノシンの重要性を検討した。本年度はアデノシンの高速液体クロマトグラフィーを利用した高感度測定系を確立し、さらに正確な生体内アデノシン濃度の測定が可能となった。これらを利用して、降圧剤として頻繁に使用されているアムロジピンの虚血保護効果にアデノシンおよびNOの冠血管拡張作用が関与することを検討した。アムロジピンの血管拡張に伴う心筋保護効果はアデノシン受容体の阻害剤である8SPTおよびNO産生阻害剤L-NAMEの使用により完全に抑制された。これらの結果より、カルシウム阻害剤による心筋保護効果には、NOおよびアデノシンがそのシグナルとして重要なことを示した(2005年5月JMCC)。 さらに昨年アデノシンシグナルの下流に位置することを証明したPKCの活性がアルドステロンによっても誘導されることを示し、アルドステロンの心血管作用の新しいメカニズムを解明した(2005年6月Hypertension)。 臨床応用としてはこれらの既存の薬剤のみならず、アデノシンの血中濃度を増加させる薬剤のヒト臨床試験も開始された。今後もこれらの基礎研究データを踏まえ、さらなる心筋障害メカニズムの解明、治療法の開発がなされることが期待される。
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