研究課題/領域番号 |
16390229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
加藤 規弘 国立国際医療センター研究所, 遺伝子診断治療開発研究部, 部長 (80293934)
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研究分担者 |
柳内 和幸 国立国際医療センター研究所, 遺伝子診断治療開発研究部, 室長 (30360704)
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キーワード | 高血圧 / ゲノム / 発現解析 / モデル動物 / ネットワーク / 生活習慣病 / 環境因子 / 多因子疾患 |
研究概要 |
高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病は、多因子疾患と考えられている。その成因として『多くの遺伝子の微妙な機能変化が複合して"疾患感受性"を決定すると同時に、それらの機能変化が食事などの環境因子によって大きく影響を受ける』という仮説が広く提唱されてきた。そこで、本研究は、(1)この仮説に対するドグマ(定説)を確立すること、(2)ヒトゲノム研究との連携のもとに横断的かつ基盤的な科学的根拠を収集し、生活習慣病の貴重な研究資源を社会に提供すること、を主たる目的とする。 本年度は、以下の2課題について、集学的アプローチを行った。 (1)高血圧自然発症ラット(SHR)系統におけるゲノムスキャンによって我々が同定してきた14箇所の染色体領域のコンジェニック・ラットを完成し、高血圧をはじめとする生活習慣病の"感受性"遺伝子本体を探究すること コンジェニック・アプローチで最終的に"感受性"遺伝子に到達するために、サブコンジェニック系統を作成して断片をさらに縮小していくとともに、ある程度狭めた染色体断片上に候補となる遺伝子が推定される場合、それらを優先的に調べる「候補遺伝子アプローチ」を行った。一方、標的臓器に関するDNAマイクロアレイを用いた体系的発現解析を行うことによって、各コンジェニック系統で障害されているネットワークの手がかりを探索している。 (2)各々の感受性遺伝子が、どのようなフィードバック・システムの調節破綻で疾患形質を生ずるのかを、細胞から臓器、そして個体レベルで検討すること 生体には複雑な"ネットワーク"が存在し、その恒常性を保つための多数のフィードバック経路が働いているという観点から、病態モデルとして、上述したコンジェニック・ラットと親ラットの間における、遺伝子発現の系統的解析を行った。さらに時系列での変化、食塩負荷や高脂肪食負荷などの環境因子修飾に伴う変化なども解析中である。
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