研究課題/領域番号 |
16390230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
長谷川 浩二 独立行政法人国立病院機構, 京都医療センター・臨床研究センター・展開医療研究部, 部長 (50283594)
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研究分担者 |
北 徹 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60161460)
森本 達也 , 財団法人・生産開発科学研究所, 主任研究員 (50390779)
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キーワード | cardiac myocyte / transcription / GATA-4 / p300 / heart failure / hypertrophy |
研究概要 |
多くの研究により心筋細胞肥大に伴った特異的遺伝子変化の核内情報伝達にGATA、MEF-2、SRF等のDNA結合転写因子群並びにそのcofacorとしてp300、NFATcが関与することが明らかになっている。p300はまたヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性も有し、ヒストンだけでなくDNA結合転写因子のアセチル化も誘導する。我々は最近p300がGATA-4のアセチル化及びそのDNA結合活性を高め、心筋細胞の肥大応答に重要であることを報告した。しかし、vivoにおいて心筋梗塞後の左室リモデリングにおけるp300の役割は不明である。このため心臓でp300を過剰発現するトランスジェニックマウスを作成し12週齢で心筋梗塞もしくはシャム手術を施行した。5週後の心エコーでは、シャム手術群では野生型(WT)とトランスジェニック型(TG)の間で左室サイズや機能に差はみられなかった。一方心筋梗塞群では、TGでWTに比べより左室駆出分画が低下し、左室拡張期及び収縮期径が拡大していた。両群間で梗塞サイズに差はみられなかった。心筋梗塞後にp300/GATA-4経路の下流のターゲットである左室エンドセリンー1濃度がTGでWTに比べより有意に増大していた。以上より、心臓でp300を過剰発現するトランスジェニックマウスにおいて心筋梗塞後慢性期の左室エンドセリンー1濃度は上昇しリモデリングは促進されることが示された。
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