研究課題/領域番号 |
16390231
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
秋田 弘俊 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (70222528)
|
研究分担者 |
木下 一郎 北海道大学, 大学院医学研究科, 講師 (40343008)
山崎 浩一 北海道大学病院, 講師 (20312358)
|
キーワード | 肺癌 / 分子マーカー / EGF受容体遺伝子変異 |
研究概要 |
本研究の目的は、肺癌における臨床的に有用な分子標的治療マーカー、層別化マーカーの開発である。同時に、肺癌における、マーカー分子・遺伝子の分子生物学的・細胞生物学的・病理学的・臨床的意義を明らかにすることにある。今年度は、昨年度に引き続き、臨床的に有用な分子標的治療マーカー、層別化マーカーの開発という立場から、EGF受容体の遺伝子変異とEGF受容体チロシン・キナーゼ阻害剤の感受性の関係が報告されていることに着目して、EGF受容体の種々のステイタスとEGF受容体チロシン・キナーゼ阻害剤の感受性・奏効性の関係を検討し、臨床的に有用な分子標的治療の選択マーカーや治療効果予測マーカー、層別化マーカーとなるか否かを検討した。臨床的に採取された肺癌腫瘍組織を材料として、DNA抽出・精製、PCR増幅を経て、EGF受容体遺伝子変異解析(DNAシークエンス解析)を行った。またEGF受容体遺伝子の遺伝子増幅をFISH法で解析した。EGF受容体遺伝子変異(エクソン19のin-frame deletionおよびエクソン21の点突然変異)陽性の非小細胞肺癌患者を対象にゲフィチニブ投与の第II相臨床試験を行い、75%の奏効率を得た。以上から、前向き臨床試験によって、EGF受容体遺伝子変異(エクソン19のin-frame deletionおよびエクソン21の点突然変異)陽性非小細胞肺癌においては、EGF受容体チロシン・キナーゼ阻害剤によって高い奏効率が得られること、EGF受容体遺伝子変異(エクソン19のin-frame deletionおよびエクソン21の点突然変異)がEGF受容体チロシン・キナーゼ阻害剤治療の有用な分子マーカーになることが示された。
|