研究課題
基盤研究(B)
本研究は、切除不能・放射線照射不能のIIIB/IV期非小細胞肺癌の治療成績の向上を目的とし、標準的治療であるプラチナを含む2剤併用化学療法にゲフィチニブを逐次的に併用する治療法の有効性を検討する多施設共同比較第III相試験である。それに付随したトランスレーショナル・リサーチ(TR)は、ゲフィチニブ投与症例において、腫瘍組織でのヒト上皮成長因子受容体I、II(EGFR、HER2)、そのリン酸化レベル(pEGFR、pHer2)、及びインスリン類似成長因子I受容体(IGF-IR)の発現量を測定し、奏効度、生存との相関を検討することとしている。対象は切除不能IIIB/IV期非小細胞肺癌の未治療例で75歳未満で文章で同意が得られた症例で、組織型、病期、性、化学療法の内容、PS、施設を動的割付因子として化学療法群(A群)と化学療法+ゲフィチニブ群(B群)に割付られる。化学療法の内容は。パクリタキセル+カルボプラチン(PC群)、ドセタキセル+シスプラチン(DP群)、ゲムシタビン+シスプラチン(GP群)、イリノテカン+シスプラチン(IP群)、ビノレルビン+シスプラチン(VP群)の中から担当医が選択する。A群は化学療法を最低3コース以上、最大6コースまで実施し、PDになるまで後治療を加えない。B群は化学療法を3コース施行後、有効(CR、PR)および不変(SD)症例に対し、250mg/日のゲフィチニブをPDになるまで連日投与する。平成17年1月26日現在534例(A群267例、B群267例)が登録された。背景因子は組織型(腺癌:A群207例、B群209例、非腺癌:A群60例、B群58例)、病期(IIIB:A群53例、B群53例、IV:A群214例、B群214例)、性(男:A群168例、B群170例、女:A群99例、B群97例)、化学療法の内容(A群:PC群171例、DP群8例、GP群38例、IP群8例、VP群42例、B群:PC群172例、DP群8例、GP群37例、IP群8例、VP群42例)である。本試験の目標症例数は600例で、平成17年4月には集積終了の予定である。随時症例記録用紙67例の腫瘍検体が得られており、免疫組織染色(IHC)により解析している。これまでの少数例の結果では、pEGFRの発現度と奏効度が相関しているように思われる。予定症例は100例で試験終了後にはIHCによる有効性予測の可能性を示すことが期待される。
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