研究課題
我々は平成15年3月より進行非小細胞肺癌を対象とし、標準的治療であるプラチナを含む2剤併用化学療法群とその後にゲフィチニブを維持療法として投与する群を比較する多施設共同無作為化比較試験を行ってきた。この試験は、組織型、病期、性、化学療法の内容、PS、施設を動的割付因子として化学療法群(A群)と化学療法後のゲフィチニブ維持療法群(B群)に割り付け600例を集積することとし、平成17年5月までに604例を集積して終了した。このうち解析対象例は577例(A群287例、B群290例)であった。本年度はゲフィチニブ維持療法群から103例の腫瘍検体を回収し、腫瘍組織のヒト上皮成長因子受容体I、II(EGFR、HER2)、そのリン酸化レベル(pEGFR、pHER2)、及びインスリン類似成長因子I受容体(IGF-IR)の免疫組織染色による発現量の解析、EGFRの遺伝子変異を検索し、奏効度、無再発生存期間(TTP)との相関関係を検討した。102例の内容は、女性58%、腺癌83%、非喫煙者55%、98例が評価可能症例であった。解析の結果では、41例(42%)にEGFRの遺伝子変異が見られ14例がエクソン19の欠失、27例がエクソン21の点突然変異であった。遺伝子変異のある症例とない症例の有効率は62%と26%(p=0.002)、TTPは10.1ヶ月と5.1ヶ月(HR 0/64;P=0.048)で有意な差が認められた。pEGFRの発現およびpHER2の発現度はEGFRの遺伝子変異の頻度と相関していた。以上より、非小細胞肺癌の腫瘍組織のリン酸化EGFRの発現量の測定からEGFRの遺伝子変異の有無を知ることが可能であり、それによってEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の有効性を予測することができると考えた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (17件)
ann. Oncol. 18(2)
ページ: 317-23
Cancer Sci. 98(3)
ページ: 438-46
Clin Cancer Res. 12(19)
ページ: 5764-5769
J Clin Oncol. 24(16)
ページ: 2549-2556
Cancer Sci. 97(5)
ページ: 387-94
Int J Cancer. 118
ページ: 812-820
Anticancer Res. 26
ページ: 777-781
Ann Oncol. 17
ページ: 1028-1029
J Clin Oncol. 24(33)
ページ: 5247-52
Cancer 107
ページ: 599-605
Lung Cancer 54
ページ: 241-242
Br. J. Cancer 95
ページ: 677-682,
Journal of Thoracic Oncology 1
ページ: 684-691
Lung Cancer 51
ページ: 363-368
J Clin Oncol 24
ページ: 3657-3663
J Thorac Oncol. 1
ページ: 226-230
ページ: 2479-2486