研究概要 |
#肺胞蛋白症モデルマウスの作製(分担研究者 中垣が担当) モデルマウスの作製のために、マウスが自己抗体を産生しうるかどうかを調べた。マウス腹腔にCpGを投与し、炎症を惹起させると、14日後に抗GM-CSF自己抗体が血清中に数100ng/ml検出されることを見いだした。そこで、ハイブリドーマを作製し、抗GM-CSFモノクローナル抗体のスクリーニングを行い、6クローンを取ったが、いづれも非中和抗体であった。 #ヒト型抗GM-CSFモノクローナル抗体を用いた自己抗体測定システムを患者検体の測定に応用する(分担研究者慶長が担当)。 ヒト型抗GM-CSFモノクローナル抗体は患者の末梢血単核球をEB transformし、line化したあと、スクリーニングを繰り返し、抗体産生クローンを樹立した。このクローンのH鎖、L鎖遺伝子を抽出し、ベクターに入れてCHO細胞に発現させ、ヒト型モノクローナル抗体を得た。この抗体を標準抗体として従来のELISA測定系に適応したところ、従来プール血清から精製純化して用いていた標準自己抗体に比べて5.9倍の急峻な標準線が描けた。 #吸入GM-CSFの薬効機序に関する研究(主任研究者 中田が担当): 特発性肺胞蛋白症の患者末梢血リンパ球集団を調べた。25例の解析では、NK,NKT,regulatory Tなどの集団が有意に低下していた。つぎにGM-CSF吸入治療前後の患者の末梢血で同様の検討をおこなった。一部の患者で症状徴候の改善と共にNK,NKT細胞が増加していた。
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