研究概要 |
1)細胞内膜系CLCクロライドチャネルの細胞内分布の同定を行った。 今までCLCクロライドチャネルは免疫染色に耐えうるよい抗体がなく、その細胞内の分布は詳細が不明であった。今回FLAGないしHAタグをつけた細胞内膜系各種CLCクロライドチャネルを2種以上同時に発現させ、直接各クローンについて差異があるか、同じ場合はヘテロオリゴマーを形成しているかを免疫沈降で検討した。CLC-3,4,5の細胞内局在は一致し、ヘテロオリゴマーを形成していた。しかしながら、CLC-6,7はCLC-3,4-5とも結合せず、ホモオリゴマーしか形成できなかった。CLC-6の細胞内局在はCLC-3,4,5に近かった。 2)CLC-Kチャネルのベータサブユニットであるバーチンの構造機能共関を検討した。バーチンとCLC-Kのお互いの結合部位を同定するため、種々の欠失変異体を作成し、免疫沈降で結合性を検討した。この結果、CLC-KはN末のはじめの膜貫通部分が必須であり、バーチンは細胞膜貫通部分以外にもC末の細胞内部分が必要であった。バーチン自身の基底側膜へのターゲッティングシグナルについても同定を試みた。この結果、結合部位とは異なるC末細胞内部分が膜局在シグナルとして重要である事が判明した。 3)CLC-4ノックアウトマウスの作成。今で機能不明なCLC-4についてノックアウトマウスを作成するためES細胞での組み替え体のスクリーニングを終了した。
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