研究課題
CLCクロライドチャネルのベータサブユニットであるバーチン蛋白について、1)基底側膜局在機構を、各種変異体を作成し、NDCK細胞にてその局在の変化を見ることで検討した。その結果C末端細胞質内領域に基底側膜への細胞内輸送に必須のドメインがあることが推定され、そこの部分に結合する蛋白を酵母two-hybrid法にて探索中である。2)アルファサブユニットであるClC-K2とバーチンの結合様式を探るため、各々変異体を作成しCOS細胞で発現後、免疫沈降にて両者の結合に必要最低限の部位を明らかにした。ClC-K2は船の舳先のように左右対称な形で膜内に埋め込まれているが、膜内でバーチンがその各々左右の舳先に結合することが明らかになった。この結合部位の同定は、CLC-Kに対する阻害剤の開発や、他のCLCに対するベータサブユニットの探索に重要な情報を提供する。3)ヒトのバーチン遺伝子を高血圧症の患者でスクリーニングしたところV43IというSNPが日本人では高頻度で存在した。同様の報告がアメリカの研究室からなされ、欧米では極めて少なく、黒人では日本人程度に存在することも判明した。この変異の機能に対する影響を見るため、変異体をClC-KBとアフリカツメガエル卵で共発現させてみたところ、野生型に比して、クロライド電流発現を増強する事を見いだした。現在そのメカニズムを検討中で、さらに高血圧疾患者における頻度が高いかどうかについても検討中である。以上の治見については投稿準備中である。
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