研究課題
基盤研究(B)
カンピロバクター腸炎患者の3千人に一人がギラン・バレー症候群(GBS)を続発するが、GBS発症の規定因子は不明である。さらにフィッシャー症候群(FS)に代表されるように、GBSの臨床像は多彩であるが、臨床像の規定因子は明らかにされていない。カンピロバクター腸炎後GBSの発症機序として、菌体リポオリゴ糖(LOS)上のガングリオシド様構造によって、患者血中に抗ガングリオシド抗体が誘導され、GBS発症に至ると想定されている。これをヒントに、菌LOS合成関連遺伝子の構成パターンや遺伝子多型がGBS・FSの発症および臨床像を規定しているか検討を行った。LOS合成関連遺伝子座は、GBS患者由来株(138株)の68%がクラスAであり、腸炎株(103株中17%)と比べ高頻度であった(P<0.001)。クラスA株は、GMIとGD1aエピトープの両者を有していることが多く、このような傾向は他のクラスの菌株ではみられなかった。クラスAとBの遺伝子座に共通して存在するシアル酸転移酵素遺伝子cst-IIの多型分析を行った結果、cst-II(Asn51)株はGQ1b様LOSを、cst-II(Thr51)株はGM1やGD1a様LOSを高頻度に発現していた。Asn51株が分離された症例では抗GQ1b抗体の、Thr51株の症例ではGM1やGD1aに対する抗体の陽性率が高かった。さらに、Asn51株は、眼筋麻痺などの脳神経麻痺や運動失調と密接に関連している一方、Thr51株が分離されたほぼ全症例で四肢麻痺をきたしていた。GBS分離株の多くはThr51型であったのに対し、FS株の多くはAsn51型であった。クラスAとBの遺伝子座には、ガングリオシド様LOS合成に必要な糖転移酵素遺伝子がすべて含まれており、GBS・FS発症の強力な危険因子であることが示された。クラスA遺伝子座とcst-II(Thr51)型とは密接に関連しており、GM1/GD1a様LOSの合成が促進される結果、患者血中に抗GM1/GD1a抗体を誘導し、GBS発症のリスクを高めると考えられる。一方、クラスAかBかに関わらず、Asn51株はGQ1b様LOSを発現する結果、患者血中に抗GQ1b抗体を誘導し、FSを発症すると想定される。
すべて 2006 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (70件)
Eur J Neurol 13
ページ: 203-204
J Infect Dis 193
ページ: 547-555
ページ: 545-547
J Neurol Sci 243
ページ: 35-38
Muscle Nerve (Epub ahead of print)
J Biol Chem (Epub ahead of print)
J Neurol Sci 244
ページ: 167-171
J Neurol Sci (Epub ahead of print)
J Neurol Neurosurg Psychiatry 76
ページ: 1736-1738
Neurology 65
ページ: 1376-1381
Neurogenetics 6
ページ: 225-228
Curr Opin Immunol 17
ページ: 577-582
Electrophoresis 26
ページ: 3360-3368
Curr opin Neurol 18 18
ページ: 557-561
ページ: 1115-1120
Eur Neurol 53
ページ: 194-196
Neurology 64
ページ: 1605-1611
ページ: 856-860
ページ: 767
J Neurosci 25
ページ: 1620-1628
J Clin Microbiol 43
ページ: 335-339
Neurology 62
ページ: 825-827
J Neurosci 25 (selected for the 'This Week in The Journal' section in the issue)
Curr Opin Neurol 18
J Clin Invest 114
ページ: 1659-1665
Eur J Neurol 11
ページ: 790-791
Lancet 363
ページ: 1236-1237
ページ: 949-956
J Neuroimmunol 148
ページ: 200-205
J Neurol 251
ページ: 24-29
J Neurol Neurosurg Psychiatry 75
ページ: 169-170
Review Series pediatrics 2
ページ: 22-23
neurosci Lett 68
ページ: 63-67
Neurology 63
ページ: 529-533
ページ: 1939-1944
Proc Natl Acad Sci U S A 101
ページ: 11404-11409
J Neurol Sci 219
ページ: 139-145
neurology 62
ページ: 153-154
Cochrane Database Syst Rev 2
J Neurol Sci 217
Neurology 62 (selected for the Highlights' section in the issue)
Proc Natl Acad Sci USA 101
Neurosci Lett 368
Review Series Pediatrics 2
Cochrane Database Syst Rev (2)
ページ: CD004761
J Neurol Sci (in press)