研究課題/領域番号 |
16390257
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 成男 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00125832)
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研究分担者 |
桂 研一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50297892)
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 准教授 (70167914)
上村 尚美 日本医科大学, 老人病研究所, 助教 (60283800)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | ミトコンドリア / PTD-FNK / 脳梗塞 / 虚血 / 蛋白治療 |
研究概要 |
多くの方法が脳梗塞治療へ試みられてきたが、効果的な方法は見いだされていない。ここでは、細胞死抑制活性強化タンパク質FNKを細胞内導入ペプチドTATに接続して、脳梗塞による細胞死を抑制しようとした。TAT-FNKはアポトーシスだけでなくネクローシスも抑制し、広範な対象に効果的であることがわかった。さらに脳梗塞治療薬として期待されているFK506と組み合わせて投与するとさらに効果的であることがラットの中大動脈梗塞モデルを用いてわかった。すなわちTAT-FNK投与後、30分後にFK506を投与することが最も効果的だった。(1)皮質の梗塞体積は27%から14%まで減少した。(2)脳梗塞後1週間後も効果があった。(3)線条体を含む広い領域で効果があった。(4)脳梗塞開始4,5時間まで効果があった。(5)神経症状の効果が認められた。さらに、FK506との組み合わせが何故効果的なのかを分子レベルで解析し、カルシウムの動態を変化させることで副作用を軽減することを明らかにした。さらにFK506はTAT-FNKが細胞内に導入されるのを抑制するので同時に投与するよりも時間差をおいて投与した方が効果的であることもわかった。 さらに、水素の吸引は極めて脳梗塞治療に効果的であることを見いだした。ヒドロキシルラジカルは最も強力な活性酸素種で核酸、脂質および蛋白と無差別に反応する。このヒドロキシルラジカルを解毒する機構は知られておらず、従って、ヒドロキシルラジカルを除去することが最も重要な抗酸化プロセスとなる。私たちは、生体内で水素分子(H2)が有効な抗酸化物質となりうることを見いだした。 水素による効果とTAT-FNKの効果を組み合わせるとさらに効果的であると期待できる。
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