研究課題/領域番号 |
16390272
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (60292900)
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研究分担者 |
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
鈴木 隆浩 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (40345210)
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 研究拠点形成特任研究員
伊豆津 宏二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30361471)
山本 豪 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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キーワード | マイクロアレイ / LOH / 白血病 / Blimp1 / コピー数解析 / 細胞周期 / モデルマウス / Affymetrix |
研究概要 |
本研究では、最新のアレイ解析技術を駆使して、白血病ゲノムに生ずる遺伝子変異の網羅的な同定を試みるとともに、白血病の原因遺伝子として同定された重要な遺伝子については、当該遺伝子の変異マウスを用いて遺伝子変異と白血病の発症との関連を解析した。 (1)アレイ解析技術を用いた白血病のゲノム変化の網羅的解析 Affymetrix社から提供されているGene Chip 100Kアレイは大規模SNPタイピング用に開発されたアレイであるが、我々は、腫瘍ゲノムのハイブリダイゼーションで得られるSNPシグナルを定量的に解析するアルゴリズムを独自に開発することにより、同アレイを用いて極めて高精度なコピー数の解析を行うことが可能なシステムを構築した。本システムでは、ゲノムのコピー数の解析の他にSNPタイピング情報を用いて極めて高精度にLOH領域を検出することも可能であって、本アレイを用いて23.6kbという驚異的な解像度で白血病の全ゲノムについてコピー数の変化とともに、LOH領域の詳細なマッピングを行った。100例以上の白血病ゲノムを解析した結果、多数の増幅欠失領域を同定することに成功した。 (2)マウスモデルを用いた白血病発症のメカニズムの解析 一方、我々は白血病で変異をきたすいくつかの遺伝子について、白血病で認められる遺伝子変異を有するマウスモデルを作成し、当該遺伝子変異による白血病発症のメカニズムの解析を行った。とくに、白血病で不活化が認められるBlimp1を成体造血組織で欠失させたマウスでは、遺伝子欠失の誘導後にリンパ節腫大と脾臓の腫大が認められ、約6ヶ月をへてT細胞の著明な増幅をきたすことが明らかとなった。In vitroの解析においては、Blimp1がRb依存性に細胞周期の停止を強力に誘導することを見いだしており、Blimp1による細胞周期制御の異常と白血病化の関連が示唆された。
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