研究分担者 |
秋田 幸大 久留米大学, 医学部, 助教 (20330821)
平田 孝治 佐賀短期大学, くらし環境学科, 准教授 (50360293)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 大学院・歯学総合研究科, 教授 (60165701)
西岡 淳子 久留米大学, 医学部, 助教 (00449919)
八ツ賀 秀一 久留米大学, 医学部, 助教 (10454919)
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研究概要 |
ミトコンドリアと核の遺伝子連関ネットワーク機構を解明する試みは未だ報告されていない。臨床的にミトコンドリアの過剰増生が観察されるミトコンドリアtRNAの点変異を持つ患者由来の細胞モデル(ρ^0システム)を確立した。このRRFを来しうる遺伝子異常をもつ細胞モデルとヒト由来の遺伝子発現マイクロアレイを用い,ミトコンドリアのエネルギー産生能を調節できる遺伝子を発見し,ミトコンドリアと核の遺伝子連関ネットワーク機構を解明することが本研究の目的である。また,その遺伝子を治療的に正常細胞に過剰発現させることで,呼吸鎖活性を測定し,機能回復ないしは機能亢進状態の有無を確認する。遺伝子導入することで,ミトコンドリアの呼吸鎖活性が改善すれば,この治療法は,ミトコンドリア異常症の治療のみでなく,ひいては,痴呆症,老化の治療にも応用できる可能性がある。このような試みは世界で初めてであり,臨床にフィードバックできる有用な研究である。我々は,ミトコンドリアtRNAの点変異を持つ患者臓器および,細胞モデル(ρ^0システム)を用い,総RNAを分離し,患者群と正常者で異常に増減する遺伝子をアフィンメトリクス社製のマイクロアレイシステムで解析した。この解析により,癌抑制遺伝子として分離されたminitinが実は,電子伝達系複合体Iの核のサブユニットである事を明らかにした(J Biol Chem.2005 Mar 17 20;280(20):19977-19985)。現在,これら遺伝子群の同定および確認を行っている。同時に,点変異で起こるミトコンドリア脳筋症のMELASおよびLHONの患者におけるミトコンドリア脳筋症の全周解析を行い,エネルギーの機能不全状態の系統樹解析を行った。また,LHONの患者で病気の浸透率を100%に増加させる新規点変異を発見報告した(Mitochondrion 2005 5:194-199,Mitochondrion 2006 6:39-48)。
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