研究課題/領域番号 |
16390319
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
神保 孝一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30094238)
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研究分担者 |
山下 利春 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50167706)
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
廣崎 邦紀 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00363705)
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キーワード | メラニン / メラノソーム / メラノサイト / トランスジーン / 低分子G蛋白 / 色素異常症 / トランスジェニックマウス / Rab蛋白 |
研究概要 |
I.Dominant/Negative Rab7 transgenic mouseの作成:優性阻害変異型Rab7であるRab7N125IのcDNAを、マウスクラスI遺伝子(H-2K^d)由来のプロモーターとラビットβ-グロビン由来のポリA及びイントロンを含むプラスミド、(pKCR・H-2K^d)に組み込み、トランスジーンベクターを作成した。得られたベクターをBDF1バックグラウンドのマウス受精卵にマイクロインジェクションし、9匹のトランスジェニックマウスを得た。9系統のうち、6系統においてはトランスジーンが安定して子孫へ引き継がれた。これら6系統の脳、脾、皮膚組織からRNAを抽出し、トランスジーンのmRNA発現量を比較したところ、2系統においてユビキタスでかつ高い外来性Rab7N125Iの発現を確認した。Rab7N125Iがマウスの毛色に及ぼす影響を観察するため、トランスジェニックマウスとC57/BL6を交配させ、その仔マウスの毛色を比較した。現在のところ、トランスジェニックマウスと同腹仔はいずれも黒色の毛色(non-agouti)を示し、差異は観察されていない。マウスメラノサイトを用いたin vitroの系ではRab7N125IがTYRP1の発現のみに影響を及ぼすことが示唆されており、Rab7N125Iは強いメラニン産生抑制を示さない可能性がある。そのため、今後はより淡色の毛色を示す遺伝背景をもったマウスでRab7N125Iの影響や皮膚以外の臓器におけるトランスジーンの発現プロファイルをより詳細に検討する必要がある。 II.正常なTYRP1を欠くマウス不死化メラノサイト(melan-b)へのヒトTYRP1を発現とメラニン合成、紫外線感受性への影響:感染後、第0日目から第15日目までの総メラニン量は、コントロール細胞では横ばいであったが、TYRP1発現細胞では漸増し、第15日目にはコントロールの細胞の約3倍となった。ユーメラニン量は、第9日目にTYRP1発現細胞がコントロールの約3倍に増加したが、フェオメラニン量は、コントロール細胞とでほぼ等しい値であった。UVB照射を受けた細胞は、TYRP1発現細胞の方が高い比率でアポトーシスを起こしていた。
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