研究課題/領域番号 |
16390325
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大森 哲郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00221135)
|
研究分担者 |
六反 一仁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
板倉 光夫 徳島大学, ゲノム機能解析センター, 教授 (60134227)
上野 修一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (80232768)
|
キーワード | 統合失調症 / 薬物療法 / QOL / 生物学的マーカー / DNAチップ / 薬物応答性 |
研究概要 |
統合失調症を出来る限り抗精神病薬単剤で治療し、臨床症状とQOLの継時的な観察を行った。同時に、治療反応を規定する状態依存的な要因として、白血球内に発現するmRNA発現の変化を探索した。さらに遺伝子規定的な要因として、遺伝子多型(SNP)解析を行い薬物応答性の個体差の分子遺伝学的解析を行った。まず調査研究を行い、自己評価QOLには抑うつ症状が、観察者評価QOLには陰性症状が、家族による生活技能評価には抑うつ症状と陰性症状が規定因子として重要であることを示した。これらの所見はQOLと生活技能の向上には、抑うつ症状と陰性症状に着目する必要性を示唆している。白血球内mRNA発現においては統合失調症特有の変化があることを示唆する所見を得た。これらが診断および治療に有用な生物学的指標となるかを、リアルタイムRT-PCRを用いて引き続き検討している。遺伝子多型解析では慢性例の解析を先行させ、臨床症状を取りながら数百の検体を収集し、遺伝子を抽出した。これまでに、BDNFのVal66Met多型において、Met保有例においては発症年齢が低いことを見出した。またBDNFVal66Met多型は長期抗精神病薬治療後に残存する症状とも関連があることを示した。これらの所見を初発例の経時的な臨床経過を追いながら前方視的にも検討している。また、高磁場3テスラMRI装置が使用可能となったので研究企画の中に画像解析を組み込み複合的な検討も開始している。
|