研究課題
基盤研究(B)
^<18>F-標識フルオロメチルトリフレートによる^<18>F-フルオロメチル化反応によって新規^<18>F-標識薬剤を開発することを目的として本研究を開始した。初年度である平成16年度では、基礎的知見を得ることを主眼として以下の研究を実施した。1.^<18>F-フルオロメチルトリフレートの反応性とその生成物の安定性を調べるため、種々の化合物にこの標識前駆体を導入しラジオHPLC分析により反応を追跡した。アミンとフェノール性の水酸基あるいはチオール基を有するベンゼン誘導体を用いて系統的に反応性を調べた。また、比較検討のため^<18>F-臭化フルオロメチルも標識前駆体として用いた。この結果、水酸基と3級のアミノ基を有する反応基質だけが安定な生成物を与えた。今後この反応条件を変えることで他の基質でも^<18>F-フルオロメチル化が可能かどうか検討する。2.^<18>F-フルオロメチル化を自動的に行うため、ミニチュアモジュールを試作した。^<18>F-フッ素化反応部を小型化するため遠赤外ヒータを熱源とする加熱反応モジュールを新たに試作した。来年度その性能を評価する予定である。3.我々が開発した^<18>F-フルオロメチル化による新規標識薬剤である^<18>F-フルオロメチルタイロシンについて、動物実験による腫瘍イメージング剤としての評価を進展させた。また、近い将来に臨床利用を可能とする目的で非放射性フルオロメチルタイロシンの大量合成に取り組んだ。4.^<18>F-フルオロメチル化と反応性を比較するための^<11>C-メチルトリフレートの合成法に関しても検討した。^<11>C-標識二酸化炭素出発物質としてシングルパス法による^<11>C-標識ヨウ化メチル合成法を採用した。その中間生成物の^<11>C-標識メタンの簡便な濃縮法とI_2添加法などを新たに開発して、30%の放射化学収率で合成する条件を見出した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
Nucl.Med.Biol. 32(印刷中)
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