研究課題
^<18>F-標識フルオロメチルトリフレートによる^<18>F-フルオロメチル化反応によって新規^<18>F-標識薬剤を開発することを目的とする本研究の最終年度である平成18年度では、これまでの結果を踏まえ以下の研究を実施した。1.[^<18>F]フルオロメチルトリフレートの反応性に関する基礎的検討。[^<18>F]フルオロメチルトリフレートの反応性に関する系統的研究を継続し、公表されているいくつかの標識化合物に関し追試的な合成実験を行ったが、再現性ある結果は得られなかった。また、たとえ合成的に安定でも、生体内での不安定性を示唆する毒性・変異原性の結果がフルオロメチルタイロシンの結果から得られたため、これ以上の開発を諦めざるを得ないと結論した。2.[^<18>F]フルオロメチルトリフレート自動合成ミニチュアモジュールの改良と評価。[^<18>F]フルオロメチルトリフレート合成ミニチュアモジュールをより実用的なものとするため、[^<18>F]フッ素イオンの分離精製部を付与するとともに反応加熱部の小型化を行って改良を施した。本モジュールを使用する[^<18>F]フルオロコリン合成システムを完成させその性能を評価した。PET診断利用を本年秋から開始する予定である。加えて、今後の合成モジュールの一層の小型化を見据えて、マイクロリアクターによる、[^<18>F]フッ素イオンの分離精製モジュールの開発を行った。今後合成モジュール開発はこの方向で進める予定である。3.有用な[^<18>F]フルオロメチル化合物の探索。1で触れたように、フルオロメチル基を有するフルオロメチルタイロシンの変異原性試験の結果は、無視できないほどの陽性を示すものであったため、^<18>F-フルオロメチル化反応は、その反応性が低くかつ生成物の化学的・生物的安定性に欠けるため、[^<18>F]フルオロコリンは例外として、^<18>F-標識PET診断薬の開発には克服すべき課題は多く、実用化への道程は遠いと思われる。本研究の発展的な継続研究は断念せざるを得なかった。
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