研究課題
基盤研究(B)
1.ヒト固形癌細胞株における高LET重イオン線によるバイスタンダー効果の検討ディッシュ全体の細胞のうち0.001-0.005%という極少数の細胞を重イオンビームで照射した時、ディッシュ全体の細胞生存率が有意に低下する結果が得られたが、細胞間のコンタクトをなくした状態で照射するとこの現象は認められなかった。またギャップ結合阻害剤を細胞に接触させることにより照射後の細胞生残率低下は抑制された。これらより重イオン照射による細胞死に照射細胞から非照射細胞へのバイスタンダー効果が関わっており、また、そのシグナル伝達経路にギャップ結合が深く関与していることが示唆された。2.COX-2の子宮頸癌放射線治療成績に与える影響について子宮頸癌47例の放射線治療前/中の生検材料を用いて、COX-2発現と局所効果・アポトーシスに与える影響を検討した。COX-2発現と照射1週時のアポトーシス出現率の相関係数(r)は-0.52と有意な相関が認められた(p=0.0002)。COX-2発現率50%以上の症例をCOX-2陽性(22例)、50%未満をCOX-2陰性(25例)とした場合、アポトーシス出現率は陽性群1.6±0.3%、陰性群2.5±0.9%と差が認められた(p=0.0002).局所効果に関しては、陽性群のCR率59%、陰性群では80%、治療後の局所制御も陽性群で77%に対して、陰性群で96%といずれもCOX-2陰性群で良好であった。2年局所制御率は陽性群66.8%、陰性群96.0%と陰性群で良好であった(p=0.06)。一方、p53は予後への関与やCOX-2との相関はみられなかった。結果は、Int J Radiat Oncol Biol Phys誌(2006;66:1347-1355)に掲載された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (12件)
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