研究課題
基盤研究(B)
現在のX線CT方式と提案方式のデータ収集をシミュレートするために、X線光子の輸送計算を行うモンテカルロシミュレーションコードを作成した。次に、実際のX線発生装置を用い、発生するX線のスペクトル形状をGe検出器を用いて測定し、シミュレーション結果と比較した。上記の精度を確認したモンテカルロシミュレーションプログラムを用いてパルスカウンティング方式の有効性の検討を行った。有効性の検討は、(1)コントラスト分解能がどれほど改善するか、(2)X線の線量をどこまで低減することが可能か、(3)X線のビームハードニングの影響をどこまで抑えることができるか、の3点について行った。こめ結果、コントラスト分解能は従来法の3倍まで改善し、ビームハードニングの影響は加重関数を最適にすることでほとんど見えない程度まで改善できることがわかった。この他、線量の低減についても実現できることが明らかになったが、これは画質との関係で議論されるべき事柄である。さらに、実際に医療現場で稼働しているX線CT装置で用いられているX線のエネルギースペクトルを入手し、このデータに基づきシミュレーションを行い、有効性を確認した。また、エネルギー情報の利用の仕方に関しても、複数の方法を考案し有効性の検証を行った。最後に、これらの結果に基づいて検出器の設計仕様を検討し、光子計測型検出器の試作を行った。そして、この検出器における性能試験を実施し、雑音に対する対策や感度の均一性を確保するためのハードウェア仕様を再検討し、改良を行った。平成17年3月現在、この検出器を用いた基礎実験を開始した。
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Medical Imaging Technology Vol.23,No.1
ページ: 30-38
Medical Imaging Technology vol.21,Supl
ページ: 1-07
ページ: 1-03
Proceedings of IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (CD-ROM)