研究課題/領域番号 |
16390346
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
三森 文行 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 室長 (90125229)
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研究分担者 |
渡邉 英宏 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究員 (60370269)
梅津 豊司 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究員 (00223610)
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キーワード | 超高磁場MRI / 多核種MRS / 脳機能イメージング / 脳代謝 / RFコイル |
研究概要 |
代謝物の検出感度を向上し、その微少な変動を短時間で検出するために、1Hマルチチャンネル信号検出器の設計と製作を行った。これまで65x90mmの矩形ループを直径21cmの半円筒上に配置した4チャンネルハーフボリュームコイルと長さ175mmの銅箔を直径21cmの円筒状に配置したマイクロストリッブライン型8チャンネルボリュームコイルの試作を行った。いずれの場合にもスピン励起に要する電力は現在使用レているTEM型頭部用コイルに比べてかなり小さく、検出感度の向上が見込まれる。しかし,特に4チャンネルハーフボリュームコイルにおいては、コイルエレメントが小さいため、コイル中心までRFの浸透が実現できないという問題があった(平成16年度)。本年度に、各コイルエレメント間の電磁気的分離を向上させる改善をはかったところ、コイル中心部位までRFが浸透し、画像信号が得られた。今後、磁場の不均一をさらに改善することにより多チャンネル高感度検出器を実現できる道が拓けた。また、これらの高感度化と、平成16年度に開発した脳機能イメージング法をガイドとする機能発現部位の局所スペクトルの測定法、平成17年度に実現した脳内代謝物の定量評価法を合わせて、脳賦活部位における代謝物変化の有無の確認を行った。視覚刺激にともなう後頭葉視覚野における3x3x3cmの領域の1H/31P 2核同時測定を実施した。いずれのスペクトルにおいても視覚刺激時、安静時における代謝物の変動は観測されず、脳の代謝機能はきわめて恒常性高く保たれていることがわかった。この点をさらに確認するために、エタノール投与にともなう代謝変動の測定実験を実施したが、この場合にも脳内エタノール濃度が15mmol/l tissueを超えた揚合のわずかなpH変動を除いて代謝物に変化は見られず、脳代謝機能の恒常性の高さを再確認した。
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