研究課題
基盤研究(B)
ソマトスタチンの類似物質であるオクトレオチド(合成ソマトスタチン)は、ソマトスタチン受容体と特異的に結合するため、細胞傷害性の強い放射性同位元素(RI)で標識すると、がんの特異的な治療法(ターゲッティング治療法)となり得る。本研究は担がん動物モデルと遺伝子導入の手法を用い、がん細胞表面にソマトスタチン受容体を発現させ、β線放出RI標識オクトレオチドを用いたソマトスタチン遺伝子治療併用内部照射ターゲッティング治療法の開発の可能性を検討した。さらに、γ線放出RI標識オクトレオチドを用いることで、ソマトスタチン受容体を画像化し、治療効果の定量的視覚的評価法の開発の可能性も検討した。最も重要な部分である遺伝子組換えアデノウィルスは、様々な入手可能性を検討した上で、組換えアデノウィルス(AxCA-SSTR2)を獲得した。これをベクターとしてがん細胞表面ソマトスタチン受容体を発現させることを検討した。アデノウイルスベクターにHA-ヒトソマトスタチン受容体2型遺伝子を組み込んだAdex-HAhSStr2を構築し、がん細胞このウィルスを感染させることにより、高効率にソマトスタチン受容体を発現する細胞を作製する方法を検討した。この過程は、複雑な実験手技も含めて、種々検討したが、現時点では、十分満足できる結果が得られるに至っていない。また、β線やγ線放出RIをオクトレオチドに標識する技術について、本法に最適な標識技術開発のために、基礎的検討を重ねてきたが、安定的な標識率が得られるに至っておらず、引き続き検討を重ねる必要があることが判明した。一方、がん診療には欠かせない画像診断技術も併せて開発することは、様々なRI内用治療を正しく評価する上で極めて重要であり、陽電子断層撮影(PET)を含めて、診断や放射線治療などによる治療効果の判定や、予後評価について最適な画像診断法の開発も検討した。また、RI内用治療のために不可欠なβ線放出RIの体内挙動の検討も行った。
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