研究課題/領域番号 |
16390348
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
石渡 喜一 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 副参事研究員 (50143037)
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研究分担者 |
石井 賢二 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 副参事研究員 (10231135)
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 講師 (00228090)
三品 雅洋 日本医科大学, 医学部, 助手 (70322518)
木村 裕一 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 主任研究員 (60205002)
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キーワード | アデノシン受容体 / PET / 脳 / 心筋 / 骨格筋 |
研究概要 |
PETによりアデノシン受容体を計測するために、我々は独自に放射性薬剤の[^<11>C]MPDX(A_1受容体リガンド)と[^<11>C]TMSX(A_<2A>受容体リガンド)を開発した。本課題では、脳受容体を対象として、1)健常者を対象にこの[^<11>C]MPDX-PET及び[^<11>C]TMSX-PET診断法を確立し、2)健常者の加齢、3)神経変性疾患に応用する。4)[^<11>C]TMSX-PETについては、心筋と骨格筋のA_<2A>受容体サブタイプの計測を試みた。また、5)基礎研究への応用ともに、[^<11>C]TMSXより優れたリガンドである[^<11>C]KF21213の前臨床研究も進めた。主要な結果は以下の通りである。 1.健常者を対象に[^<11>C]MPDX-PET及び[^<11>C]TMSX-PETを施行し、3コンパートモデル及びローガンプロット法により、それぞれ目的の脳受容体サブタイプを測定できることを明らかにした。 2.多くの神経受容体は加齢に伴い結合能が低下するが、[^<11>C]MPDX-PETによるA_1受容体結合能はむしろ亢進することが明らかになった。 3.A_1受容体結合能は、アルツハイマー病では低下し、てんかんでは焦点で結合能が低下するが、遠隔部位でむしろ亢進することがわかった。(これらは次年度以降に症例を重ねる)。 4.[^<11>C]TMSX-PETにより、心筋と骨格筋のA_<2A>受容体サブタイプも計測できる可能性が、動物実験で示され、臨床的にも確認された。 5.[^<11>C]KF21213はラットやマウスを用いた基礎研究では[^<11>C]TMSXより優れた薬剤であったが、サル脳のPET計測ではむしろ[^<11>C]TMSXの方が適切な薬剤であり、種差が認められた。
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