研究課題/領域番号 |
16390352
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
江川 新一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00270679)
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研究分担者 |
福山 尚治 東北大学, 病院, 助教 (10344673)
元井 冬彦 東北大学, 病院, 助教 (30343057)
岡田 恭穂 東北大学, 病院, 医員 (10375074)
坂田 直昭 東北大学, 病院, 医員 (50431565)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 膵癌 / SEREX法 / 癌抗原 / 免疫治療 / 樹状細胞 / インターフェロンα / 臨床試験 / リンパ管内投与 |
研究概要 |
1. 膵癌患者に対する樹状細胞を用いた免疫治療 肝転移を有する切除不能膵癌患者に対し、術中放射線照射ののちに膵原発巣に自家樹状細胞を局所注入する免疫治療を20名に実施した。後半の10名は抗がん剤との併用を行った。同時期の同様な治療を行わなかった群に比べて生存率で有意差は得られなかったが、2例において肝転移の縮小、長期増悪抑制が得られた。樹状細胞がアポトーシスに陥った膵癌細胞を貪食している様子を捉えた。 2. SEREX法による新規膵癌抗原の同定 膵癌患者血清を用いてSEREX法を行い、染色体10p12に位置するKU-CT-1を癌・精巣に特異的に発現する抗原として単離した。膵癌における発現率は33%であり、特異的な抗体は6%の膵癌患者血清において確認された。膵癌の特異的な抗原として免疫治療に応用できる可能性が示唆された。 3. 膵癌における癌特異的抗原発現の検討 膵癌切除標本からティッシューアレイを作成し、広範囲の腫瘍で発現することが知られているWT1,survivinの発現頻度を解析し、その発現頻度が40%前後であることを確認した。 4. 強い細胞性免疫に極性化された樹状細胞を用いた膵癌の免疫治療の臨床応用 IFNα、IFNγ、TNFα、IL-1β、PolyI:Cにより成熟させた樹状細胞の表面抗原発現、IL-12p70の産生能を測定し、膵癌患者においても細胞性免疫に極性化した樹状細胞を誘導できることが示された。極性化した樹状細胞を足背リンパ管内に直接投与する臨床第1相試験を実施し、安全に施行可能な方法が確立され、がん特異的抗原を負荷して投与する臨床応用への展望が開けた。
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