研究課題/領域番号 |
16390355
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北山 丈二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20251308)
|
研究分担者 |
名川 弘一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80228064)
甲斐崎 祥一 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70291325)
釣田 義一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80345206)
石神 浩徳 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80372382)
武井 芳樹 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10372369)
|
キーワード | LPA / SIP / 大腸癌 / EGFR / C-Met / 胃癌 / COX-2 / VEGF |
研究概要 |
昨年度に加え以下の結果を得た。 (1)胃癌細胞上にはS1P受容体S1P-1,-2,-3が様々な強さで発現していた。S1P-1,-3を発現した細胞にはS1Pは遊走を刺激したが、S1P-2を発現した細胞に対しては抑制的に作用した。増殖に対しては、S1Pは弱いながらすべての細胞に対して、刺激的な作用を有していた。 (2)S1Pは、上記の胃癌細胞において、その受容体の発現に関わらずチロシンキナーゼ型膜受容体EGFRとC-METを一時的にtransactivateした。 (3)また、大腸癌細胞LOVOにてcyclooxygenase-2(COX-2)の発現を誘導し、発癌、癌の進展に積極的に関与している事が明らかとなった。 (4)実際の患者の胃癌組織において、LPA2受容体の発現を免疫染色で検討すると、発現率が分化型において有意に高く、未分化型では進行度と相関していた。LPA2は正常の胃粘膜の上皮には全く発現していないことを考慮すると、LPA2の発現は、分化型胃癌の発生に深く関与していることが推測された。 (5)LPAは腹膜中皮細胞のVEGF産生を促進し、腹膜に置け血管新生を介して、胃癌の腹膜転移を促進している可能性が考えられた。 以上より、S1P,LPAは共にその受容体を介して癌の発育、進展に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|