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2006 年度 実績報告書

活性リン脂質とその受容体を標的とした新しいがん治療の基盤形成

研究課題

研究課題/領域番号 16390355
研究機関東京大学

研究代表者

北山 丈二  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20251308)

研究分担者 名川 弘一  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80228064)
釣田 義一郎  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80345206)
武井 芳樹  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10372369)
矢富 裕  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60200523)
甲斐崎 祥一  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70291325)
キーワードLPA / transactivation / Autotaxin / LysoPLD / colon cancer / 肥満細胞
研究概要

1.In vitroでは、大腸癌細胞DLD-1にLysophosphatidic acid(LPA)を添加すると、EGFRのtransactivationを誘導するとともに、Boyden-chamber法による遊走、IL-8,VEGFなどの血管新生因子の産生を刺激した。EGFRのリン酸化は、EGFRの特異的inhibitor (AZ1478)、マトリックス分解酵素阻害剤GM6001で完全に抑制された。一方、これらの薬剤処理にて、遊走、IL-8産生も有意に抑制されたが、抑制率はともに30%程度であった。DLD-1におけるLPAの作用は、部分的にEGFRのtransactivationに依存している事が判明した。
2.胃癌、大腸癌にて外科的切除を受けた患者の切除標本を対象に、ATX/LysoPLDに対するモノクローナル抗体を用いた免疫染色法にて、ATX/LysoPLDのタンパク発現を検討すると、粘膜下層の比較的大型の浸潤細胞が強く発現していることが観察された。連続切片、および二重染色法にて、この細胞はTrypataseおよびChymaseも発現しており、組織中の肥満細胞であることが判明した。可能性が示唆された。Western Blotting法にて、胃粘膜組織より分離したCD117陽性細胞のlysate中には、有意なATX/LysoPLDの発現を認めたが、CD117陰性細胞群のlysateには明らかな発現は認めなかった。また、CD117陽性細胞を24時間培養した後の上清中にも有意なATX/LysoPLDの発現を認めた。以上より、粘膜下肥満細胞は、ヒト消化管組織におけるATX/LysoPLDの供給細胞である事が判明した。LPAは免疫細胞に対して多彩な制御作用を有すること、消化管上皮細胞の増殖、遊走を強く促進する作用を有していることを考慮すると、この粘膜下肥満細胞は恒常的にATX/LysoPLDを産生し、粘膜組織における多量のLPAを供給することによって、消化管における粘膜防御機構および粘膜障害時の治癒機転などに重要な役割を果たしていることが推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Lysophosphatidic acd-induced effects in human colon carcinoma DLD1 cells are partially dependent on transactivation of epidermal growth factor receptor.2006

    • 著者名/発表者名
      Mori K
    • 雑誌名

      Journal of Surgical Research 132(1)

      ページ: 56-61

  • [雑誌論文] Autotaxin is overexpressed in glioblastoma multiforme and contributes to cell motility of glioblastoma by converting lysophosphatidylcholine to lysophosphatidic acid.2006

    • 著者名/発表者名
      Kishi Y
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281(25)

      ページ: 17492-17500

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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