研究課題/領域番号 |
16390356
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90111591)
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研究分担者 |
井上 芳徳 東京医科歯科大学, 大学院・医師学総合研究科, 講師 (70280964)
石川 烈 東京医科歯科大学, 大学院・医師学総合研究科, 教授 (10014151)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院・医師学総合研究科, 助手 (90193937)
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 大学院・医師学総合研究科, 助教授 (80282771)
中村 裕昭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80073021)
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キーワード | バージャー病 / 歯周病菌 / Treponema denticola / Porphyromanos gingivalis / PCR |
研究概要 |
バージャー病の病因としての歯周病菌感染を確定するために以下の様な平成16年度研究計画を実行した。 1.バージャー病確定患者16名について下肢動脈生検を行いPCR法にて歯周病菌を同定した。特にスピロヘータ属のTreponema denticola (Td)が高率にみられた。また東京歯科大細菌学教室の協力をえて同菌の免疫染色を行いPCR陽性例の30%以上に陽性反応が見られている。歯周検査は歯周プラークと唾液で行って結果を得ている。 2.マウスを用いた実験で、歯周病菌Pgを2週間連続静注したところ、6ヶ月までの経過で四肢動脈に血栓症の発症をみた。この種の実験報告はまだ世界中にない。 3.電顕による観察でバージャー病動脈血栓の微細構造を観察でき新知見を得た。 4.バージャー病患者15例と対照例16例の比較を行い、クラミヂア肺炎菌、サイトメガロウイルス、ピロリ菌の抗体価を比較できた。歯周病菌の抗体価は現在対照例との調整中である。 5.代表的歯周病菌であるPg(Porphyromanos gingivalis),Td菌について血栓性、単球の接着因子発現、ローリングの促進などを検討し一定の成果を得た。論文作成中である。ただしTdについては分離、培養が困難であり引き続き検討中である。 6.腹部大動脈瘤および閉塞性動脈硬化症における歯周病菌との関わりについて検討し、粥腫に高率に歯周病菌を検出できた、とくにPgが多かった。また、閉塞性動脈硬化症では動脈瘤に比べて内膜側に歯周病菌が多いことが判明し雑誌に掲載した。 7.歯周および咽頭からのリンパ経路について検討し、この領域の菌は短い距離を経て頸部の静脈角に達し。菌血症を起こすのであろう事を臨床解剖学的に解明した。
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