研究課題
基盤研究(B)
1)ES細胞を使った実験我々のこれまでの研究で、培養条件をうまく設定することによりES細胞から肝細胞様細胞を分化させることに成功した。しかしながら、ES細胞を培養後、肝障害ラットに細胞移植した時、奇形腫が発生することが最大の問題であった。奇形腫の発生頻度は移植までの培養口数が長いほど低下することがわかった。今回我々はES細胞をEB細胞として培養した。この細胞群をPercoll法で比重の違いにより上層,下層の2群に分けた。さらに単層培養を行ったところ、上層の細胞はアルブミン陽性、Oct3/4陰性、下層の細胞はアルブミン陰性、Oct3/4陽性であった。Oct3/4陰性の上層細胞をさらにPEACAM-1抗体を使い、magnetic cell sortingし、肝障害ラットに移植した。そして、肝細胞様細胞の肝臓への生着を見たところ奇形腫の発生はまったく認めなかった。このようにOct3/4陰性細胞を分離することにより奇形腫なしで肝細胞様細胞の分化に成功した。2)臍帯血からの肝細胞様細胞の分化に関する実験我々は臍帯血から肝細胞様細胞の細胞を分化させることに成功した。他の多くの研究者も我々の研究に追従した。すべての研究でアルブミンが成熟した肝細胞のマーカーとして使われていた。しかしながら、アルブミンは肝臓のみならず、yolk sacにも発現されることが判明した。したがって、真に肝臓特異的なマーカーが必要になる。今回我々は様々なマーカーを検討して、Cyp7a1が肝臓特異的なマーカーとして使用できることを発見した。これにより一層正確に肝細胞様細胞の同定が可能になった。
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