研究分担者 |
有井 滋樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50151171)
田中 雄二郎 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 教授 (70236644)
斉藤 佳子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教務職員 (50178969)
朝比奈 欣治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (40345294)
寺岡 弘文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30019137)
|
研究概要 |
霊長類のES細胞からの肝細胞の分化誘導を試みた。まず、ハンギングドロップ法と単層培養でカニクイザルES細胞を培養した。これらの細胞にはAFP,Alb,Cps1,Otc,Cyp7a1などの肝マーカーの発現が経時的に認められた。また、EBにおいて肝特異的タンパクを共発現する肝細胞様細胞が存在した。Matrigel上での単層培養においても、肝特異的タンパクを共発現する肝細胞様細胞が存在した。さらに、薬物応答性の機能的な肝細胞が誘導された。次にuPA/SCID(肝障害)マウスにカニクイザルES細胞を移植すると肝機能の改善が認められた。移植されたuPA/SCID(肝障害)マウスではカニクイザルのDNAやヒトアルブミンが認められた。マウス肝臓中に機能的なサルEB由来肝細胞の生着が見られた。テラトーマの形成は見られなかった。また、移植マウス血清中にサルALBが検出された。カニクイザルの肝細胞とマウスの肝細胞が同時に認められ、移植マウス肝臓中でcell fusionが起こっていることが判明した。 次に、マウスES細胞を使い、肝細胞の分化誘導を行い奇形腫発生の抑制を試みた。単層培養したマウスES由来細胞を上記のように密度勾配法で細胞を分離した。さらにFraction1をPEACAM-1,Mac-1を使いMagnetic cell sortingでhepatocyte-rich fractionに分離した。 Fraction1ではアルブミンが認められ、Fraction 2ではOct3/4が認められ未分化細胞があることがわかった。また、MACSによるネガティブセレクションでは肝細胞のマーカーが認められた。上記のMACSネガティブセレクションをマウスに移植したところ奇形腫の発生は認められなかった。以上より、未分化の細胞を取り除くことにより奇形腫の発生を抑制することが出来た。
|